記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/18
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
主にサプリメントで販売されている「ピクノジェノール」。このピクノジェノールには、特に女性に嬉しい効果がたくさんあると言われています。具体的な効果について、以降でご紹介していきます。
ピクノジェノールとは、フランス南西部、ボルドー地方とピレネー山脈の間の大西洋岸に生息する海岸松の樹皮(樹齢30~50年以上で、成熟した海岸松)から抽出される水溶性のポリフェノールです。ピクノジェノールを抽出できるボルドー地方の海岸松は、寒暖差の激しく紫外線量の多い過酷な環境で育成します。そのため、日本の海岸松と比べ、樹皮が厚く、色味が赤いものになっています。
ピクノジェノールは、次のような効果が期待されています。
ピクノジェノールには、「プロアントシアニジン」という成分が含まれています。このプロアントシアニジンには、抗酸化作用、抗炎症作用があるとされ、血管の動脈や細胞などの維持機能から、フランスでは血管の病気などに用いられていました。
そもそも活性酸素は、血中コレステロールを悪玉に変え、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病を引き起こす原因となります。プロアントシアニジンの抗酸化作用は、悪玉コレステロールの酸化を抑制することから、生活習慣病の予防・改善効果があると期待されています。
プロアントシアニジンのもつ抗酸化作用は、肌の老化防止・血流促進によって目のクマや肌のくすみを改善する効果があるとされます。その他、生理痛や更年期障害、冷え性、関節痛にも効果的と言われています。
抗酸化作用とは、活性酸素から身体を守る作用です。人間はいつも酸素を身体に取り込んでいますが、その一部が反応の強い「活性酸素」に変化します。活性酸素は、一日当たり数万~数十万個のDNAを傷つけています。通常であれば、これらの傷は修復しますが、損傷と修復のバランスが細胞の老化で崩れると、損傷は蓄積され症状として表れます。
また、活性酸素は身体にとって重要な「一酸化窒素」と結びついて消滅させてしまいます。一酸化窒素は、神経伝達物質として働くほか、免疫力強化、血管拡張作用を持っています。そして、この一酸化窒素と同じ効果をピクノジェノールは発揮するとも言われているのです。
先述の通り、ピクノジェノールは、次の女性特有の悩みに効果があると期待されています。生理痛などの月経困難症、月経前症候群(PMS)、子宮内膜症、更年期障害などです。特にピクノジェノールは、月経困難症と子宮内膜症の治療薬として特許が認められています。ホルモン療法や鎮痛薬などの治療を行うと、副作用によって不妊を引き起こす可能性もありますが、ピクノジェノールは強い副作用がなく、無毒性や無変異性、無発がん性が実証されています。
主に活性酸素に対して効力を発揮して、肌のしみやしわ、老化防止の役割を果たすとされるピクノジェノール。生理痛の緩和にも効果があると言われているので、気になる方は、サプリメントなどでの摂取を検討されてはいかがでしょうか。