女性が膀胱炎になりやすい原因とは!?治療ではどんなことをするの?

2018/4/27

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

膀胱炎は女性の発症率が高いと言われていますが、それはなぜでしょうか?膀胱炎の発症メカニズムや治療法、日常生活で気をつけたいポイントなどについてまとめました。

何で女性は膀胱炎になりやすいの?

膀胱炎とは膀胱が炎症を起こした状態のことを言います。原因となる菌にはいくつか種類がありますが、女性の膀胱炎の原因菌として特に多いのが大腸菌です。女性の場合、男性と比べて尿道が短く、また肛門と腟や尿道の入り口が近いため、菌が膀胱まで入りやすい構造になっています。そのため、女性の方が膀胱炎になりやすいのです。

膀胱炎になると、残尿感(用を足しても尿が残っている感じがすること)があったり、トイレが近くなったり、尿が濁ったりといった症状が現れます。症状がひどくなると、下腹部は尿道に激しい痛みを感じたり、血尿が出たりすることもあります。

さらに、細菌が膀胱から尿管を通って腎臓まで行くと、腎臓でも炎症を起こしてしまいます。これを腎盂腎炎(じんうじんえん)といい、発熱や腰の痛みを起こすこともあります。稀ではありますが、放っておくと腎不全を起こす場合もありますので、早めに受診して治療することが大切です。

婦人科?泌尿器科?膀胱炎になったら何科に行けばいい?

膀胱炎が疑われる症状が出た場合、専門の診療科を受診するなら泌尿器科になりますが、一般的な内科でも診察は可能です。まわりに男性がいるのが気になる、あるいはかかりつけの医院があるということであれば、婦人科を受診しても大丈夫です。

大きな検査などをするわけではないので、総合病院などの大きな病院へ行く必要はありませんが、放置していると症状がひどくなることもありますので、早めに受診した方が良いでしょう。

病院ではどんな検査をするの?

膀胱炎が疑われる場合、病院で行う検査は基本的に尿検査と尿細菌培養検査になります。

尿検査

採取した尿を顕微鏡で見て、炎症細胞がいないかどうかを確認する検査です。炎症細胞が増えていれば、膀胱炎と診断されます。

なお、尿検査をする場合、尿道口と腟が近いので、帯下(おりもの)が入ってしまうと婦人科疾患を膀胱炎と間違えてしまう可能性があります。尿検査をするときは、中間尿(出始めから少し経って途中から採取する尿)を検査に出すようにしてください。

尿細菌培養検査

原因となった細菌の種類を調べる検査です。細菌の種類によって効果のある薬の種類が異なる場合があるので、それを確認するために行われます。

場合によっては、超音波検査(エコー)が行われることもあります。腎臓や膀胱に異常がないかを確認するために行われるもので、膀胱炎を頻繁に起こす場合や、血尿が強い場合に必要となる検査です。

治療方法は?

膀胱炎の治療は、薬の内服が基本です。症状によって期間は多少変わりますが、多くの場合は抗生物質を5日間ほど内服すれば治ります。内服し始めて3日ほどで症状が軽くなることが多いですが、菌を完全に消失させるために、5日間は内服を続ける必要があります。

ただし、途中で内服をやめてしまうと、膀胱内に菌が残ってしまうこともあります。医師から指示された日数できちんと内服することが大切です。

生活習慣で見直すこと

膀胱炎を予防するためには、普段の生活の中で膀胱炎になりにくい行動をすることが大切です。

膀胱で菌が増えるのを防ぐ

トイレを我慢すると、膀胱の中で菌が増えやすくなってしまいます。水を多めにとって、トイレを我慢しないようにして、膀胱から菌を出すようにしましょう。

膀胱の中に菌を入れない

女性は膀胱に菌が入りやすい体の構造をしているので、できるだけ菌が入らないように気をつけましょう。具体的には、排便後には前から後ろに拭くようにすること、生理用ナプキンやおりものシートはこまめに交換して陰部を清潔に保つことが大切です。また、性交渉の前には陰部や手指を清潔にしたり、終わった後にはトイレに行って菌を排出することも心がけるようにしましょう。

免疫力の低下を防ぐ

免疫力が低下すると、感染を起こしやすくなってしまいます。十分な睡眠と栄養をとり、過激なダイエットは避けて、免疫力の低下を予防しましょう。

膀胱炎になりやすい生活習慣を続けていると、繰り返し発症してしまうこともあります。膀胱炎は薬で治療が可能な病気ですが、清潔さを保ち、体調を整えることで予防することも大切です。

おわりに:普段の生活を見直して膀胱炎を予防しよう

女性に起こりやすい膀胱炎は、日常生活の行動を見直すことで予防可能です。人によっては、繰り返し膀胱炎を起こしてしまうことも珍しくはありません。ぜひ普段の生活を見直して、膀胱炎を予防するようにしましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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