記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2017/3/15
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
未成年が飲酒や喫煙、万引きなどをしてしまう理由のひとつに「同調圧力」があります。
“友達に好かれるために、同じことをしなくてはいけない”というプレッシャーのことで、
ほとんどの子どもは経験したことがあるはずです。
この同調圧力は、
「みんなと一緒に大学受験を頑張ろう!」
「仲間のために、自分も得点を決めなきゃ」
と良い方向に働くこともありますが、犯罪などの悪い方向に向かってしまうこともあります。
では、悪い方向への同調圧力によって、子どもが間違った道に進まないようにするためには
どうすればいいでしょうか?
親としてあなたができることを、2回にわたってお届けします!
「引っ込み思案な子がイベントに参加できるよう、ほかの子どもが励ましてくれる」「テストでいい点をとれるように声をかけてくれる」など、良い方向へ後押ししてくれる同調圧力であれば大歓迎でしょうが、一方で「一緒にタバコ吸おうよ」「これから万引きするんだけど、一緒にやってくれるでしょ?友達だよね?」といったマイナスな同調圧力も存在します。
もしそこで子どもが圧力に流されてしまったとしても、怒らないでください。その子は「友達からいじめられたくない。関係を壊したくない」と思っているだけです。悪い状況から抜け出す方法がわからないだけなのです。
仲間からの悪い圧力は、負のスパイラル効果を持つことがあります。最初は小さな間違いだったとしても、それが深刻な非行につながる可能性があるのです。
たとえば、「あれ、盗んできてよ」という圧力に簡単に屈してしまった場合、その子はいつか薬物や未成年飲酒に手を出すかもしれません。そうしてアルコールや薬物を繰り返しているうちに依存度が深まり、取り返しのつかないところまでいってしまう可能性があります。
子どもが幼いうちに、仲間の同調圧力への対処法を身につけることが大切です。
就学前には愚かな行為や悪い行為をまねしないように伝えてください。たとえば、友達やクラスメートから何かを盗んできてなどと言われた場合は、「そんなことしないよ」と言ってその場を立ち去るよう教えてください。
子どもが小学生のうちから、タバコ、薬物、お酒を飲んでいる子が周りにいないか聞いてみてください。その友達があなたの子どもに家出やサボリ、無免許運転、窃盗、カンニングをするよう圧力をかけてくるかしれません。準備するには早すぎる、ということはありません。
圧力をかけられたときに何と言えばいいか考えさせ、ロールプレイングを家で頻繁に実践してください。これがイメージトレーニングとなり、子どもが悪い同調圧力から逃れるのに効果的です。
また、圧力から逃げる場合、「親を頼る」という選択肢を子どもに教えておくことも大切です。もし自力で抜け出せない場合に備え、決まり言葉を教えておくのもいいでしょう(毅然とした態度ではっきりと、大声で「いやだ!」「やめて!」と言うなど)。
同調圧力に対処するには、できれば学校に通い始める前の段階で対策を練っておくことが非常に大切です。「悪いことはまねしちゃいけないんだよ」と伝えたり、ロールプレイングを行ったりすることで、悪い誘いを受けてもはっきりと断れる子どもになってくれるでしょう。
また、ほかにもできる対策はまだまだあります!後半の記事もぜひ参考にしてくださいね。