インフルエンザになったときの食事の注意点 ~ 薬以外でできること

2018/4/27

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

インフルエンザを発症してしまったとき、大切なのは早期の薬物療法と十分な休養ですが、完治を早めるためには食事でもいくつかの注意点があります。以降で、食べ物の選び方や周囲への感染を防ぐために気をつけたいことなどをご紹介します。

冷凍宅配食の「ナッシュ」
冷凍宅配食の「ナッシュ」

インフルエンザ完治には休息と栄養補給が重要

インフルエンザを発症したら完治させるためには休息をとり、栄養を摂ることが大切です。休息では特に睡眠を十分にとることが重要になります。

また、栄養とともに水分も十分に摂取するようにしましょう。特に高熱が出ている場合には脱水となる可能性も高くなるため脱水予防もかねて水分をしっかりと補給しましょう。

「食欲がなくて食べ物が食べられない」という場合には、いろいろな具材を煮込んだスープなどで栄養を摂るようにするとよいでしょう。

療養中の食事は消化が良いもの中心で

少しでも食欲が出てきたら、消化がよくて口当たりの良いもので栄養を摂っていきましょう。具体的にはうどん、おかゆ、アイスクリーム、果物、スープなどです。

一度にたくさん食べてしまうと、胃に負担をかけてしまうため少量ずつを何回かに分けて食べるようにするとよいでしょう。

なお、インフルエンザの発症中はインフルエンザウイルスと闘って身体が疲弊しているため、揚げ物やバターなどの油脂を多く含む食事や肉料理は、消化の際に胃に負担をかけてしまうため控えるようにするのがベターです。

水分補給も重要・・・何を飲んだらいいの?

インフルエンザにかかったら脱水予防のため水分の補給が重要です。白湯やお茶、スポーツドリンクや経口補水液が特におすすめです。

栄養ドリンクも疲れをとったり、免疫力を高める働きがあるのでおすすめですが、飲む際にはノンカフェイン、ノンアルコールのものを選びましょう。これらの成分は利尿作用を高めるため、脱水となるリスクが高まるからです。

また、アルコールを含むドリンクの場合は薬との飲み合わせに影響を及ぼす可能性もあるため、お勧めできません。

子供は脱水に注意!

インフルエンザの時には、高熱がでることによって脱水状態となりやすいため、水分補給が非常に重要です。特に子供は自分の症状を大人に伝えられなかったりもするため気が付いたら脱水症状となることも考えられます。高熱が続いていたり、嘔吐をしている場合には、特にこまめに水分を摂取させましょう。具体的には体を温めるお湯やカフェインの含まれていない麦茶、経口補水液やスポーツ飲料がおすすめです。

なお、一度にたくさん飲ませるのではなく少量ずつをこまめに飲ませるようにし、糖分の過剰摂取にならないようにスポーツドリンクは少し薄めて飲ませるようにしましょう。

また、子供は大人よりも食欲が低下しやすい傾向にあります。そのため、欲しがっているものを中心に少しずつ食べさせてあげるようにするとよいでしょう。

食べ物を介してうつることはある?

基本的にインフルエンザは食べ物から感染することはありません。しかしインフルエンザは接触感染、飛沫感染で感染することから、インフルエンザに感染した人が口をつけた食材あるいは食器をシェアしたり、インフルエンザにかかっている人が息を吹きかけて冷ました食材を食べてしまうと感染してしまいます。また、食事中にインフルエンザに感染している人が咳やくしゃみをすればそのしぶきを吸い込んで感染してしまう可能性もあります。

このことから、インフルエンザに感染している人は基本的に1人で食事を摂るようにしましょう。なお、まだ1人で食事をとることができない子供がインフルエンザに感染しているという場合は、食事を食べさせるときに保護者の方がマスクをするなどして感染を予防しながら食べさせるとよいでしょう。

さらに、保護者の方がインフルエンザに感染した場合は、子供への食事提供は誰かに代わってもらうようにし、誰も代わってくれる人がいない場合には食器をシェアしたり、息を吹きかけて食べ物を冷ますという行為をしないようにしましょう。

おわりに:水分摂取と栄養の摂取を意識し、早期の完治を目指そう

インフルエンザによって高熱が続くと体力が消耗するだけでなく、脱水となる可能性が高まります。そのため栄養摂取や水分の摂取は非常に重要となります。消化に良く食べやすいものを少しずつ食べ、飲みやすい飲み物を少しずつ飲むようにして水分や栄養を摂るようにしましょう。なお、食べさせ方や、食器の使い方などによってはインフルエンザがうつってしまう場合もあります。感染経路を意識したうえで食事の方法を検討しましょう。

関連記事

この記事に含まれるキーワード

子供(198) インフルエンザ(86) 食事(226) 水分補給(44) スポーツドリンク(6) スープ(5) 栄養ドリンク(2) うどん(3)