インフルエンザののどの痛みはカロナール®︎で対処できる?

2018/4/23 記事改定日: 2019/3/1
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

高熱や頭痛、悪寒以外に、のどの痛みも引き起こすことのあるインフルエンザ。痛みを緩和する対処としてカロナール®︎を使ってもいいのでしょうか。

インフルエンザののどの痛みはカロナール®で治る?

インフルエンザは、空気中のウイルスを口や鼻から体内に侵入してきます。このとき、のどや気管支の粘膜にウイルスが付着し、炎症を起こすために痛みや腫れが発生するのです。このメカニズムは、一般的な風邪で起こるのどの症状も同様です。

カロナール®は、解熱鎮痛剤として広く使われている薬で、「アセトアミノフェン」という成分を含んでおり、頭痛や発熱の症状を和らげるだけでなく、のどの痛みを緩和する効果も期待できます。

インフルエンザで高熱・頭痛・のどの痛みなどの症状がある方にも、カロナール®が処方されることはあります。タミフル®やリレンザ®といった、インフルエンザの治療薬との併用も可能です。

ただし、カロナール®を使用する際には以下のことに注意する必要があります。

  • 空腹時に内服しない
  • できるだけ空腹時を避ける(内服薬の場合)
  • ほかにアセトアミノフェンが使われている薬を使用していないかを確認する
  • アルコールと同時の摂取はしない
  • 心臓、肝臓、腎臓や血液に重い病気がある人は使用しない
  • 妊娠している場合、もしくはその可能性がある場合は医師に相談する
  • アレルギー反応が起こる可能性がある

使用に関して不安や疑問がある場合は、事前に医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

カロナール®︎以外に使える薬はある?

インフルエンザののどの痛みや発熱などに対して使用する薬には注意が必要です。
一般的な消炎鎮痛剤や解熱剤などに含まれるアスピリンやロキソプロフェン、イブプロフェンなどの成分はインフルエンザを発症している時に服用すると、肝障害や脳症など重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

市販の風邪薬や鎮痛剤の多くには、これらの成分が含まれているので自己判断で安易に服用するのは危険です。
一方、漢方薬の「麻黄湯」は副作用がほとんどなくインフルエンザの諸症状を改善する効果が期待できます。薬局で購入することもできますが、服用する場合は医師や薬剤師に相談してからにしましょう。

その他、のどの痛みが強い時は、イソジンガーグル®などのうがい薬やトローチなどを使用すると症状が和らぐことがあります。

薬以外でできる対処法はある?

インフルエンザなどでのどの痛みがある場合、薬以外にもできる対処方法があります。

  • 加湿器を使って部屋の湿度を保つ
  • マスクを使う
  • のど飴をなめる
  • こまめにうがいをする
  • なるべく声を使わないようにする
  • 栄養を摂るようにする
  • 休養する

のどの痛みを緩和させるためには、のどを乾燥させないようにすることが大切です。部屋の湿度やマスク、のど飴などを活用して、のどのうるおいを保つようにしましょう。うがいは、のどのうるおいを保つのに良いほか、不快感を和らげ、炎症を抑える効果もあります。できるだけこまめに行うようにすると良いでしょう。

また、なるべく声を出さないようにしてのどを休めることも必要です。タバコやアルコールものどに負担をかけますので、なるべく避けることをおすすめします。

そして、早くインフルエンザから回復するためにも、十分な栄養と休養をとることも大切です。無理をせず体を休ませ、食べられるものからで良いのでできるだけ栄養を摂るようにしてください。

おわりに:インフルエンザによるのどの痛みには早めに対処しよう

インフルエンザでも、のどの痛みは起こることがあります。熱が出ない場合もありますので、おかしいなと感じたら、早めに対処することが大切です。無理をせずのどを休ませ、心配な場合は病院を受診するようにしましょう。

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