インフルエンザは自然治癒できる?病院に行くべきタイミングは?

2018/5/2 記事改定日: 2018/10/30
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

高熱に悪寒など、「インフルエンザかもしれない」と思った場合、病院を受診した方がいいのでしょうか?理想的な受診のタイミングや、病院に行くかどうか迷った際の考え方などと併せてご紹介します。

インフルエンザかもと思ったら、すぐ病院へ行くのがベスト

インフルエンザが疑われる症状が現れたときは、早めに病院を受診することが大切です。インフルエンザは、急に発症して症状が進むため、治療を早めに始める必要があります。抗インフルエンザ薬は48時間以内に使用しなくてはならないため、時間が経ってから受診しても適切な治療が受けられないおそれがあります。

また、インフルエンザはウイルスによる感染症であるため、まわりの人のためにも早めの受診が必要です。無理をして外出したり学校や職場へ行ったりすると、本人の症状が悪化するばかりか、ウイルスを撒き散らして感染を広げることになってしまいます。自分のためにも周囲のためにも、早めに医療機関を受診するようにしましょう。

インフルエンザは自然治癒できる?

インフルエンザは特別な治療をしなくても、発症後5日ほどで自然と症状が軽快して治癒にむかう感染症です。タミフル®などの抗インフルエンザ薬を使用すれば、回復までに時間を短縮することは可能ですが、服用しなくても多くは自然軽快します。
しかし、子供や高齢者、妊婦、基礎疾患のある人などはインフルエンザウイルスに感染すると重症化しやすく肺炎や脳症などの重篤な合併症を引き起こすことがありますので注意が必要です。これらの人は、インフルエンザにかかった可能性がある場合は、なるべく早めに病院を受診するようにしましょう。

どんな症状のときに病院に行くべき?

インフルエンザは、ウイルスに感染してから1〜3日ほどで症状が出始めます。その症状の現れ方は急激で、突然38℃以上の熱が出たり、強い寒気や筋肉痛・関節痛が現れます。そのあと、少し遅れるようにして喉の痛みや鼻水などの局所的な症状が見られることが多いです。

このように全身症状が急に現れることがインフルエンザの特徴なので、このような症状が出たら早めに医療機関を受診するようにしましょう。

インフルエンザは普通の風邪とどう違う?

インフルエンザではなく普通の風邪だった場合、発熱や寒気などが現れる前に、喉の痛みや鼻水などの症状が現れることが多いです。発熱も37℃台の微熱であることが多く、症状の現れ方も緩やかです。

また、インフルエンザは秋から春先にかけて流行するのに対して、風邪は季節を問わず1年を通してみられます。

こんなときどうする? 病院へ行くべきか迷ったら

インフルエンザかもしれなくても、微熱の場合や発見が遅れた場合など、病院に行くべきか迷うことがあるかと思います。それぞれのケース別に、受診すべきかどうかをまとめました。

微熱しか出ない場合

インフルエンザというと、38℃以上の高熱やひどい悪寒といった症状をイメージされる方が多いかもしれません。そのため、37℃台の微熱の場合は病院を受診すべきか迷うこともあるかと思います。

微熱の場合はただの風邪であることも多いのですが、実はインフルエンザに感染していたということも珍しくはありません。特に高齢者では、熱が出ないことも多いと言われています。

その理由は、私たちの免疫力にあります。熱が出るということは、正常に免疫反応が作用して、体がウイルスと闘っているということです。体力が低下している高齢者などの場合は、免疫機能が加齢や病気などが理由で落ちてしまっていて、熱が上がりにくいと考えられているのです。

このように、インフルエンザに感染しても熱が出ない、あるいは微熱のみということもあります。風邪のような症状が現れたら、自己判断をせずに、まずは医療機関を受診して診察を受けた方が良いでしょう。

症状が出てから48時間以上経っている場合

抗インフルエンザ薬は、48時間以内に使用しなければならないとされています。そのことを知っている方の場合は、症状が出始めてから48時間以上経ってからの受診は必要なのか、迷うこともあるかもしれません。

しかし、厳密に言うと、抗インフルエンザ薬は48時間以上経過してから飲んでも効果がないわけではありません。臨床試験をしていないため、効果について言及することができないのです。

インフルエンザは、症状が出てから48時間以上が経っても、ウイルスを排出し続けている可能性があります。感染していることを知らずに外へ出ると、感染を拡大させてしまうかもしれません。

まわりの方への影響を避けるためにも、医療機関でインフルエンザかどうか診断を受けたほうが良いでしょう。何かしらの症状がある場合は、それに必要な治療薬が処方されます。抗インフルエンザ薬を使用するかどうかは、医師によって判断が異なりますので、確認してみましょう。

授乳中の場合

妊娠中・授乳中にインフルエンザにかかった場合、薬を飲むことによって胎児や子供へ影響することを心配する方も多くいると思います。そのため、病院に行かずに済ませようと考える方もいるかもしれませんが、治療は可能なので安心して病院へ行っていただいて大丈夫です。

抗インフルエンザ薬のうち、タミフル®とリレンザ®は妊娠中・授乳中に使用しても問題ないとされています。血液中や母乳へ移行する量はごくわずかで、胎児や赤ちゃんへの影響はほとんどないと考えられているのです。

また、授乳中の赤ちゃんにインフルエンザがうつったとしても、授乳を続けている方が軽症で済むとも言われています。母乳の中には、免疫に関わる物質が多く含まれており、飲み続けていた方が赤ちゃんを守ることにつながるのです。

しかし、発熱中に授乳をしていると、脱水になりやすい状態になってしまいます。普段よりも水分補給を心がけ、脱水状態にならないように注意しましょう。

病院に行くタイミングを逃してしまったら

受診時間が合わなかったり、自力で病院へ行くことが難しかったりと、病院へ行くタイミングを逃してしまうこともあるかもしれません。その場合は、しっかりと休養する時間を確保しながら、以下のことを心がけるようにしましょう。

  • 脱水予防のため、こまめに水分補給をする
  • 高熱が出ている場合は、首や脇の下、足の付け根などを冷やす(大きな血管を冷やすことで解熱を促す)
  • 冷えるのを防ぐため、汗をかいたらこまめに着替える
  • 消化の良いものを食べて、栄養を補給する(タンパク質を取るため、卵や豆腐などがおすすめ)
  • 加湿器などを使って部屋の中を加湿して、新たに風邪をひいたりすることを防ぐ

インフルエンザは、健康な人であれば安静にしていれば回復する病気です。無理をすると悪化してしまいますので、まずはきちんと療養するようにしましょう。

インフルエンザ療養中の、おすすめの食べ物は?

インフルエンザ療養中は、胃腸に負担をかけない消化のよい食事を心がけ、体が温かくなりやすいものを選ぶようにしましょう。
ここでは、インフルエンザ療養中におすすめのレシピを3つご紹介します。

鳥雑炊

たっぷりのしょうがを入れることで、体を温める効果が期待できます。しっかり煮込むことで柔らかくなり、胃腸にも優しいメニューです。

鶏肉とネギ、しょうがを食べやすい大きさに刻みます。鍋にだし汁を入れて沸騰させ、刻んだ具材を投入。しっかり火が通るまで加熱します。そこにご飯を入れて10分ほどよく煮込んだら完成です。お好みで仕上げに溶き卵を入れてもまろやかな味付けになってよいでしょう。

山芋のスープ

山芋や喉の粘膜を潤して、インフルエンザでダメージを受けた粘膜を優しく保護・修復してくれる効果があります。特に喉が痛い時におすすめのメニューです。

山芋とキャベツ、ブロッコリー、玉ねぎなどお好みの野菜を小さくカットし、バターでしんなりするまで炒めます。そこに適量の水を加えて煮立たせ、固形コンソメを投入して具材がくたくたになるまで煮込みます。よく煮込んだら、ブレンダーでしっかり撹拌子、どろどろにします。そこに適量の牛乳と生クリームを加え、塩コショウで味付けしたら完成です。

甘酒ヨーグルト

体を温めて栄養豊富な甘酒と胃腸に優しいヨーグルトの特性ドリンクで食欲のない時でもしっかり栄養を摂ることができます。

ミキサーに、リンゴやみかんなどお好みの果物、適量の甘酒、ヨーグルトを入れてよく撹拌したら完成です。さっぱりして味わいが欲しい時は、ゆずやレモン汁を加えるのもおすすめです。

おわりに:インフルエンザかも?と思ったら早めに病院へ行こう

インフルエンザは、症状が急激に出ることが特徴であり、まわりへも感染を広げてしまう恐れがある病気です。たとえ発症から48時間が過ぎていても、症状を悪化させないためにも、まわりへの感染を防ぐためにも、早めに病院を受診することが大切になります。インフルエンザが疑われる症状が現れたら、速やかに診察を受けるようにしましょう。

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