“安全”な食事のために、家庭で食中毒を予防する!

2017/3/23

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東大医学部卒、医学博士

三上 貴浩 先生

1996年、学校給食が原因となり、過去に類を見ない規模で、大腸菌O-157による集団食中毒が多発しました。

それ以降も、大規模な集団食中毒の発生は止まらず、毎年のようにマスコミを賑わせ、死亡者もでています。

食中毒といえば、飲食店の外食が思い浮かびますが、家庭の食事でも発生しています。

症状が軽かったり、発症者が家族だけのため、食中毒に気がつきにくいのです。そして、重度の食中毒に陥り、死亡する人もいます。

家庭には、食中毒が発生する危険性がたくさん潜んでいます。自分や家族のために、安全な食事づくりをチェックしてください。

食中毒予防のポイント

食中毒は、外食だけでなく、家庭での食事でも発生しています。家庭の食中毒を防ぐのは、食材を選び、調理する、“台所の責任者”であるみなさんです。

安全な食事の準備と調理方法

研究によると、台所は家の中で最も多くの細菌が存在する場所で、シンクにはトイレの10万倍もの細菌がいることがわかっています。

大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ菌のような細菌は、手、生の食品、ペットを通して台所に入ってくるため、気をつけなければ、細菌は急速に蔓延します。

また、食べ物は、ただしく調理、保管されなければ、食中毒、風邪、インフルエンザなどの病気になりえます。

手を洗う

細菌が広がる主な原因のひとつは、手による伝染です。調理前、ゴミに触れた後、トイレに行った後、生の食べ物に触れる前、生の食べ物に触れた後、石鹸と温水で手をきれいに洗います。手洗いは食中毒予防のキホンです。

肉の取り扱い

鶏・豚・牛をはじめ、生肉には、有害な細菌が付着してます。しかし、きちんと調理すれば、細菌は殺菌できます。

「調理前に肉を洗い、細菌を流すべき」という説がありますが、これは単なる迷信。シンク、調理台、皿などの近くにある物すべてに細菌が飛び散る可能性があります。

生の食品は、パン、サラダ、フルーツなど、調理が不要な食品からは遠ざけるように注意してください。細菌が一度付着したら、ついたままになります。

「冷凍すれば大丈夫」と思っている人も多いですが、カンピロバクターような細菌は、凍結する過程で生命力は下がりますが、完全に死ぬわけではありません。

最も安全な殺菌の方法は、きちんと調理することです。また、まな板も生の食べ物用のまな板と、そのほかの食べ物用のまな板にわけて使うのがおすすめです。

生肉の保管は、密閉した容器に入れ、冷蔵庫の下段に置きます。他の食べ物に触れたり、血が垂れたりすることを防ぐためです。

調理

適温で調理すれば、食品に付着している有害な細菌は、確実に殺菌できます。食べる前にきちんと火が通っているか確認してください。以下の食品は、特にしっかり加熱調理する必要があります。
・鳥肉
・豚肉
・牛肉
・レバーを含む内臓
・ハンバーグ
・ソーセージ

鶏肉、豚肉、ハンバーグ、ソーセージを調理する際、肉がピンク色でなく、肉汁が透明で、きちんと加熱されているか確認するために、真ん中を切れ目を入れ、肉の色がピンクでなく、肉汁が透明なことを確認してください。

鳥を一羽まるごと調理するときは、足の最も太い部分に穴をあけ、肉の色がピンクかどうか、肉汁が赤っぽくないか確認します。

豚肉は、レアで食べるべきではありません。肉の中心に串をさし、肉色、肉汁をよく確認します。

肉の表面が高温で調理されている限り、肉表面の細菌は死ぬため、牛肉のステーキやレアのラム肉は安全です。料理後、すぐに食べないなら、室温で90分程度冷やしてから、冷蔵庫に保管します。冷蔵は、5度以下がベストです。

食べ物が熱いまま冷蔵庫に入れるのがNGな理由は、均等に冷えず、食中毒の原因になることがあるからです。

果物や野菜を洗う

食べる前に、冷水で果物や野菜を洗うことがお勧めです。これは、目に見える汚れや表面に存在する可能性のある細菌を除去するのに役立ちます。果物や野菜の皮をむいたり、調理したりすることで、これらの病原菌を除去することもできます。

洗剤やその他の家庭用洗浄製品は決して使用しないでください。人間が摂取するのに安全でない可能性があり、食品にそれらの製品が残ってしまうかもしれないからです。

おわりに ~家庭での食中毒予防~

家庭で食中毒を防ぐうえで、ちょっと雑になってしまうポイントがあります。調理の前後に台所をきれいにすることと、まな板をよく洗うことです。

まな板には、平均すると、トイレの便座の数倍もの細菌が付着しています。湿ったスポンジや布巾も、細菌が繁殖するのに最適な場所。研究によれば、台所のスポンジは、家庭内で最も多くの細菌がいる場所ということです。
ふきんやスポンジは頻繁に洗い、新しいものとこまめに交換するようにしてください。

自分、そして、家族の“安全”な食事のために、日ごろの心がけを大事にしてください。

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