ダウン症では顔や体つきのほかにどのような特徴がみられる?

2018/3/27

二宮 英樹 先生

記事監修医師

東大医学部卒、セレオ八王子メディカルクリニック

二宮 英樹 先生

ダウン症候群は、21番染色体が1本多くあることが原因で発症する先天的な病気です。この病気を抱えた赤ちゃんは、特徴的な顔つき・体つきをしていたり、病気がちだったり、知能の発達が遅くなたりすることがわかっています。この記事では、ダウン症候群の赤ちゃんの特徴を中心に解説したいと思います。

ダウン症候群とは

ダウン症候群は、精神発達遅滞やダウン症顔貌(がんぼう)と呼ばれる特徴的な顔つき、そのほかにも体の障害を引き起こす先天的な病気です。

これは、染色体の異常(通常2本しかないはずの21番染色体が3本あること)が原因で発症するもので、「21トリソミー」と呼ばれることもあります。遺伝的な原因で発症するわけではないため、生まれてくるすべての赤ちゃんに発症する可能性があります。

ダウン症候群の顔貌(がんぼう)とは

ダウン症候群を抱える人には特徴的な顔つきがみられます。このことを「ダウン症顔貌」と呼ぶこともあります。具体的には、以下のような特徴がみられます。

・目が上向きにつり上がっている
・耳が小さい、あるいは変形している
・鼻が低い
・舌が大きく、口から出ている
・首が短い

顔以外の特徴

顔以外にみられる特徴として、以下のようなものがあります。

・手の指が短い
・手のひらに横向きにシワがある
・足の親指と人差し指の間が広い
・体が柔らかい
・身長が低い
・肥満

ダウン症候群でみられる健康上の問題

ダウン症顔貌そのものは、健康的な問題を引き起こすことはありません。ただ、ダウン症候群のそのほかの症状として、以下のような病気や障害を伴うことがあります

・精神発達の遅れ
・自閉症
・先天的な心臓の病気
・先天的な胃腸の異常(腸閉鎖症など)
・難聴
・甲状腺の病気
・糖尿病
・血液の病気
・睡眠時の無呼吸
・不妊

ただ、同じダウン症候群の子供でも、人によって体の特徴や合併する病気の種類はさまざまです。むしろ大切なのは、ダウン症候群だと診断されたときに、健康に大きな影響を及ぼす恐れがある合併症がないかを調べたり、必要に応じて治療をすることです。

また、知能に関しては、ダウン症候群ではない子供よりやや低いレベルから、非常に遅れたレベル(学習が遅い)までさまざまです。一方で、ダウン症候群を抱えていても大学を卒業する人や、他の人と同じ一般的な職業に就く人もいます。

子供の学習問題について

出生時に、ダウン症候群の赤ちゃんの知能レベルを知ることはできません。子供が成長していく中で、知能レベルがわかってきます。

正常発達の子供に比べると、ダウン症候群の子どもの成長はゆっくりです。成長や教育に関することは、医療機関や行政の福祉担当の人、学校や療育施設の方の協力を借りながら、ひとつずつ乗り越えていくことが大切です。

ダウン症候群の原因は

ダウン症候群の原因は、染色体の異常です。通常2本しかないはずの21番染色体が3本あることが原因で発症します。

私たちの遺伝子は、23対(46本)の染色体の中に存在しています。出生時は、遺伝子の情報をもとに私たちの体が作られていきます。しかし、21番染色体が3本あるという異常があると、母親のお腹の中で育っていくときに正常な発達を遂げることができず、ダウン症候群を発症します。

では、なぜそのような染色体異常が起きてしまうのでしょうか。その理由ははっきりとは分かっていませんが、出産する女性の年齢が高ければ高いほど、ダウン症候群の赤ちゃんが生まれる可能性が高くなります。

ダウン症候群のリスク

以下に、母親の年齢別にダウン症候群の赤ちゃんが生まれる確率をご紹介します。

20歳 → 1500人に1人
30歳 →  800人に1人
40歳 →  100人に1人
45歳 →  50人に1人

ダウン症候群の診断

ダウン症候群かどうかは、出産前にわかる場合と、出産後にわかる場合とがあります。

出産前診断:羊水検査や絨毛生検

出生前の段階で、赤ちゃんがダウン症候群を引き起こす染色体異常の有無をを調べることができます。その方法は、 羊水検査や絨毛生検(じゅうもうせいけん:子宮内の組織を採取する検査)などの検査です。

しかし、これらの検査は、流産を引き起こす可能性があるため、気軽に行える検査ではありません。また、出生前の遺伝子診断で異常が見つかった場合、堕胎する人もいるため、倫理的な問題もあります。このような理由から、出生前の遺伝子検査については、慎重な適応が必要となっています。

出産前診断:妊娠中の超音波検査

超音波検査でお腹の赤ちゃんの体に異常が見つかり、出生前にダウン症候群が疑われることもあります。

テレビなどで、妊婦さんがお腹に超音波(エコー)をあてて、性別がわかったりする場面をみたことがあると思います。超音波検査は母親と子供の体に害を与えませんが、有益な情報が得られるため、妊娠中よく行われます。

もし、超音波検査で重篤な病気が疑われるような場合は、上記の出生前診断に関する検査が行われることもあります。

出産後診断:染色体検査

出産後にダウン症候群が疑われた場合、赤ちゃんの血液検査で、染色体異常を調べることができます

ダウン症候群の子が生まれたら

まず大切なのは、重い合併症がないかどうかを調べ、検査することです。心臓の病気や胃腸の病気が見つかった場合には、早急にそれらの治療をする必要があります。

幸いこのような病気がなかった場合は、生まれてから重い合併症や赤ちゃんの成長に関する問題が発生していないかを確かめるために、定期的に病院を受診することになります。

染色体異常を治療することはできないので、基本的には合併症や健康に関する問題に対して、一つひとつ対応していく形になります。

おわりに:ダウン症を抱える子供には、顔や体に特徴がみられる

ダウン症候群を抱えて生まれてきた子供には、顔や体つきに特徴がみられます。また、病気がちだったり、普通の子供より成長がゆっくりだったりすることもあります。病院や療養施設の方などのサポートも借りながら、子供の成長を支えてあげましょう。

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