メニエール病では食事でどんなことに気をつければいいの?

2018/3/29

山本 康博 先生

記事監修医師

東大医学部卒、独立行政法人国立病院機構東京医療センター

山本 康博 先生

メニエール病になると、突然のめまいや耳鳴り、難聴や吐き気といった辛い症状に悩まされます。このような症状を緩和したり、発作を予防したりするために、食事の面でどのようなことに気をつければよいのでしょうか。この記事では、メニエール病の症状とともに、食事や日常生活で気をつけることなどを解説します。

メニエール病ってどんな病気?

メニエール病は、めまいや耳鳴り、難聴、吐き気といった症状が出る内耳の病気です。この病気を発症する正確な原因はまだわかっていませんが、内耳の中で液体(リンパ液)が溜まってしまうことが発症に関わっているのではないかと考えられています。
メニエール病の発作は頻繁に起こり、いったん始まると20分から2時間以上続くことがあります。また、通常はどちらか一方の耳にだけ発症しますが、両方の耳で発症している人もいます。

メニエール病の症状は?

メニエール病の症状として、以下のようなものがあります。

・回転性のめまい
・耳鳴り
・頭痛
・低音難聴
・吐き気や嘔吐

回転性のめまいは、突然ぐるぐると回る激しいめまいが起こって平衡感覚がつかめなくなります。そのため、立っていても、横になっているのも辛い状態が続きます。このめまいの発作の後に、耳鳴りの症状が出てくることもあります。

そのほか、頭を圧迫されるような頭痛を感じたり、低音が聞き取りにくくなったり、乗り物酔いをしたときのような吐き気を感じたりすることもあります。

発作中にすべきこと

メニエール病の発作が起きているときは、床などの動かない面に平らに寝そべってください。めまいに対処するには、静止した物をじっと見ることが大切です。また、食事を摂ったり、水分補給をしたりするのを控えると、吐き気が少なくなります。

症状が落ち着いたら、ゆっくりと起き上がってください。強い眠気を感じるときは、発作の後もしばらくの間は横になっていてください。もし、24時間以上嘔吐し続けていて、自分では止められない場合は、医師に連絡して嘔吐を抑制する薬をもらってください。

食事の改善は発作の予防につながる?

メニエール病の症状を緩和させたり、予防につなげるためには、塩分控えめの食生活を心がけることが大切です。塩分を摂りすぎると、体内の塩分濃度を調整するために体に水分がたまりやすくなります。これにより、内耳に水分がたまりやすくなる可能性があります。食事の塩分は、1日あたり5g~6gに抑えるように心がけることが大切です。

また、コーヒーに含まれるカフェインもメニエール病を悪化させる原因と言われていますので、なるべく控えたほうがよいでしょう。そして、アルコールは小脳の働きを抑える効果があるため、場合によってはふらつきが出る可能性があります。

どのくらい塩分を摂っていいか、また、コーヒーやアルコールはどのくらい飲んでいいかは、医師に相談し、自分にとっての適量を把握することが大切です。

日常生活で気をつけることは?

メニエール病でみられる耳鳴りの症状は、ストレスと関係していると言われています。このため、自分にとって効果的なリラックス方法を見つけることが大切です。

また、もしタバコを吸っているなら、禁煙するか、本数を減らすことをお勧めします。タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させて血液循環を悪くするため、めまいを起こしやすい状況を作り出すためです。

そのほか、睡眠不足の状態が続くとめまいの発作が起こりやすいと言われています。夜更かしをしないように気をつけましょう。また、どうしても眠れないときは、医師に相談してみることをお勧めします。

メニエール病の診断・治療法は?

メニエール病かどうかを診断するにあたり、医師はどんな症状が出てきているかや、発作が起きたときにどんなことが起こるかを尋ねます。その後、医師はほかの耳の病気の可能性がないかを確認するために、検査を行うことがあります。

検査は、聴力検査や平衡感覚を確認する検査、グリセロールテスト(グリセロールという薬を服用し、服用前と服用から3時間後の聴力を測定・比較する検査・聴力が回復すると、メニエール病と診断される)、MRIやCTスキャン(耳と頭の内部の写真を撮る検査)などを行います。

メニエール病の治療法は?

メニエール病を完治する方法はありませんが、医師は症状をコントロールする方法を提案することができます。塩分摂取量を制限して発作をコントロールすることもあれば、利尿剤や抗不安薬といった薬の服用で症状を抑えることもあります。薬を服用する場合、眠気を感じることがあるかもしれません。

もし、メニエール病の症状が重く、食事制限や薬の服用では症状を緩和できない場合は、内リンパ嚢開放術や前庭神経切断術といった手術法が必要になることがあります。

おわりに:症状が重くなければ、食事制限で症状を改善できる

メニエール病は内耳に水分がたまることが原因で発症すると考えられているため、塩分摂取量を制限したり、薬を服用したりすることで症状を改善させることができます。もし、これらの方法で改善がみられなかった場合は、手術が検討される可能性があります。

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