記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/8 記事改定日: 2019/7/11
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
手足口病では、手足や口などに水ぶくれができ、のどの痛みなどの症状が出ます。ときにはつらい症状になることもある病気ですが、治療ではどんな薬を使うのでしょうか。?
ここでは、手足口病で使われる薬について解説していきます。
「手足口病」は、一般的にのどの痛みや食欲不振、軽い発熱などから始まり、口、手、指、足、膝、肘、お尻などに、1~4mmほどの水疱をともなう赤い発疹があらわれます。口内の粘膜にできた発疹は破れて潰瘍になることが多く、痛みで食べ物や飲み物をとりにくくなります。
発熱があるのは全体の30%〜10%程度とされ、発熱しても1~3日ほどで下がり、37~38℃で治まることが多く、高熱が出ることはほとんどありません。
発症してから数日から10日程度で症状は治まっていきますが、髄膜炎や脳炎など中枢神経系の合併などが起こることがあるので注意が必要です。
子供がぐったりして意識がはっきりしないなどの症状があれば、すぐに医療機関に受診して下さい。
手足口病は乳幼児期に多い病気で5歳未満の小児が9割を占めますが、原因となるウイルスが10種類以上あることから何度もかかる可能性があり、大人にもうつる場合があります。
手足口病はエンテロウイルスやコクサッキーウイルスなどによるウイルス感染症の一種です。原因となるウイルスに対する抗ウイルス薬は存在しないため、手足口病の根本的な治療法はなく、治療は諸症状への対症療法を行うことになります。
発熱の対する解熱剤、口内炎に対する鎮痛薬や塗り薬・張り薬などが使われますが、口内炎の痛みがひどく十分な飲食ができない場合は脱水を防ぐために点滴治療が検討されることもあります。
自宅でできるケアも、病院で行われる対症療法に合わせたものになります。発熱があって子供がつらそうな場合は薬が処方されますが、たいていは経過観察することになりますので自宅でゆっくりと休養させましょう。
発疹は、身体のあちこちにできても痛みやかゆみはないことが多く、基本的に治療の必要はありません。ただし、かきむしってしまうと傷になりかゆみや痛みが出てしまうので、そのような場合には医師に相談して薬を処方してもらいましょう。
口内の水疱や潰瘍は違和感や痛みの原因になるので、食事は柔らかく薄味のものにしましょう。
食べたり飲んだりを嫌がる場合には、水分不足で脱水症状にならないように注意し、点滴や口の中の痛みをやわらげる外用薬を処方してもらいましょう。
もし、高熱が出てぐったりしているような場合には、市販の解熱剤を使用してもかまいません。また、口内炎に対しては市販の口内炎治療薬の軟膏なども効果がある場合もあります。
ただ、市販薬の効果には個人差がありますし、手足口病と似た症状の別の病気の可能性も否定できません。手足口病が疑われる症状が見られる場合は、できるだけ早めに病院を受診して医師から必要な薬を処方してもらうようにしましょう。
手足口病を根本的に治す薬はありません。症状は比較的軽いことが多いので、経過観察と対症療法で数日間ゆっくりと休息をさせるようにしましょう。ただし、高熱や嘔吐、頭痛などが続く場合は、合併症の可能性があるので早めに医師に相談して下さい。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。