手足口病に効く薬は?かかったときの対処法は?どのくらいで治る?

2018/5/8

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

手足や口などに水ぶくれができ、のどの痛みを伴う手足口病。この手足口病にはどんな薬が効くのでしょうか?また、もしかかってしまった場合、どんな対処法が有効なのでしょうか。治療にかかる期間と併せて解説します。

手足口病になると、どんな症状が出てくるの?

「手足口病」は、一般的にのどの痛みや食欲不振、軽い発熱などから始まり、口、手、指、足、膝、肘、お尻などに、1~4mmほどの水疱をともなう赤い発疹があらわれます。口内の粘膜にできた発疹は破れて潰瘍になることが多く、痛みで食べ物や飲み物をとりにくくなります。

発熱があるのは全体の3分の1程度といわれ、10%程度との報告もあります。37~38℃が多く1~3日ほどで下がり、高熱が出ることはほとんどありません。発症してから治るまでには数日から10日程度かかるといわれています。まれですが、髄膜炎や脳炎など中枢神経系の合併などが起こることがあり、注意が必要です。

子供がぐったりして意識がはっきりしないなどの症状があれば、すぐに医療機関に受診して下さい。手足口病は乳幼児期に多い病気で5歳未満の小児が9割を占めますが、原因となるウイルスが10種類以上あることから何度もかかる可能性があり、大人にもうつる場合があります。

手足口病を治す薬はある?

手足口病は、予防接種で防ぐことはできず、根本的な治療ができる薬もありません。処方される薬は、症状を軽減するための対症療法薬です。熱があれば解熱剤、痛みがあれば痛み止め、かゆみがあればかゆみ止めが使われますが、基本的に手足の発疹にかゆみがあることは少ないので、解熱鎮痛剤だけの処方が多くなっています。のどの痛みには、のどの炎症を抑える薬が処方されることもあります。

なお、ウイルスが原因であるため、抗生物質は効きません。また、基本的にステロイドは感染症には使えません。症状が重くかゆみがひどいようであれば、外用薬として処方される場合もありますが、水疱瘡でも処方されるような塗り薬を用いた方が無難といわれています。

自宅ではどんなケアをしてあげればいいの?

自宅でできるケアも、病院で行われる対症療法に合わせたものにします。発熱があって子供がつらそうな場合は薬が処方されますが、たいていは経過観察することになりますので、自宅でゆっくりと休養させましょう。

発疹は、身体のあちこちにできても痛みやかゆみはないことが多く、基本的に治療の必要はありません。ただし、かきむしってしまうと傷になりかゆみや痛みが出てしまうので、そのような場合には医師に相談して薬を処方してもらいましょう。

口内の水疱や潰瘍は、口の中の違和感、痛みを起こします。食事は柔らかく薄味のものにしましょう。それでも食べたり飲んだりすることを嫌がる場合には、水分不足による脱水症状に注意し、場合によっては医師に相談し、点滴や口の中の痛みをやわらげる外用薬を処方してもらいましょう。

手足口病はどのくらいで治る?

発熱がある場合の熱は1~2日程度で下がり、肌の発疹や口内の水疱は3~7日ほどであとを残さずに消えることがほとんどです。基本的には症状の軽い病気ですから、経過観察を含め症状に応じた治療を行います。特別な治療をしなくても自然に治りますが、対症療法は本人が苦痛と感じる症状がなくなるまで、または本人が我慢できる程度に症状が良くなるまで、続ける傾向にあります。

また、原因ウイルスの種類によっては、通常の手足口病と異なり、高熱を出し発疹が多く、発病の約1~2カ月後に爪が浮き上がってはがれるという症状があらわれることもあります。このような症状に対しても、現状では対症療法しか治療法はなく、自然に治るのを待つことになります。ただし、高熱や嘔吐、頭痛などが続く場合は、髄膜炎や心筋炎の合併症を起こしている可能性があるので、早急に受診して医師の判断を仰ぐ必要があります。

おわりに:治療薬はありません。1週間程度の経過観察と対症療法で自然に治るのを待とう

手足口病を根本的に治す薬はありません。症状は比較的軽い病気ですので、経過観察と対症療法で数日間ゆっくりと休息をさせるようにしましょう。ただし、高熱や嘔吐、頭痛などが続く場合は、合併症の可能性があるので早めに医師に相談して下さい。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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