手足口病の口内炎の特徴は?どれくらいで治るの?

2018/5/10 記事改定日: 2019/7/11
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山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

手足口病になると口の中に口内炎のような水疱ができます。この水疱は、普通の口内炎とどのような違いがあるのでしょうか。
水疱の痛みへの対処法とあわせて解説していきます。

手足口病の口内炎にはどんな特徴があるの?

手足口病とは、ウイルス感染によって起こる病気であり、名前の通り手のひら、足、足底、口腔粘膜などに2~3㎜の水疱性の発疹が発生するという特徴があり、口腔粘膜の水疱は潰瘍を形成することもあります。また、まれに肘や膝、お尻にも発疹が見られることがあります。

原因となるウイルスの主たるものはコクサッキ―ウイルスA16型、A10型、A6型、あるいはエンテロウイルス71型で、ウイルスに感染してから3~5日後の潜伏期間を経て症状が見られます。

発症者の約1/3に発熱が見られるものの、多くは38℃以下であり、長く続かないことがほとんどです。症状は3~7日で消失し、かさぶたなどを形成することなく水疱は消失します。

特に夏に流行する病気であり、7月下旬が流行のピークとなりますが、秋や冬にも発症することはあります。罹患者はどちらかというと男の子に多く、患者の大半が4歳以下、大半が2歳以下の乳幼児の傾向にあります。

口の中に発疹ができたときは「ただの口内炎」と放置する人もいるかもしれませんが、口の中以外にも発疹が見られた場合には手足口病の可能性があるので注意しましょう。

ひどい口内炎がある手足口病は、どうやって治療するの?

手足口病には特効薬がないので、経過観察となるのが一般的です。
ただ、子供の場合は口内の水疱の痛みによって食事や水分が摂れずに脱水となってしまう可能性があるので、脱水予防のために口内の痛みを和らげるためのステロイド外用薬が処方されることもあります

また、痛みで食事や水分が摂れずに脱水症状を起こしている場合には、点滴で脱水の治療を行うことがあります。

食事の注意点

手足口病の口内炎は飲食物のちょっとした刺激で破れ、強い痛みを起こします。
口内炎や口の中の粘膜に負担がかからないものを食べるようにし、塩分や香辛料は破れた口内炎にしみて痛みを引き起こしますので、出汁などをうまく活用して薄めの味付けにするようにしましょう。
お粥やスープ、ヨーグルトなどのど越しが良く、塩分や香辛料が少ないメニューをとり入れることをおすすめします。

食後は口の中を清潔に保つためにも病気の間も歯磨きをした方がいいのですが、口内炎の痛みで十分なブラッシングができないときは、水やお茶などで十分に口をゆすぎ、デンタルクロスなどで歯を丁寧に拭きとるようにしてください。

そのほかの症状への対処法

手足口病には前述したように特効薬ともいえるような治療薬はなく、抗生物質も効果がありません。また、発疹自体のかゆみもあまりなく、発熱も経過観察で終わることが多いため、特別な治療をしないことが一般的です。
ただ、発疹に対するかゆみが強けいときはヒスタミンが配合された薬剤を使用することがあります。

また、頭痛や嘔吐、視線が合わないという症状に加えて2日以上発熱が続く、高熱が出ているという場合には、脳炎や髄膜炎を合併している可能性があるので、すぐに病院を受診しましょう。

手足口病の口内炎が治るまでの期間はどれくらい?

基本的には、手足口病は症状が出現してから3~7日で自然に消失します。

手足口病は学校保健法に係る伝染病には含まれていないので、法律上休ませなければならないというような決まりはありません。
これは手足口病には排菌期間が長いという特徴があるため、症状が消失したからといって菌がすべて消失していると言い切れないからです。
そのため、症状が顕著に出ている期間だけ登園禁止にするといった対策をとっても効果がないと考えられています。

発疹のみで発熱や脱水症状などが見られておらず、子供本人が元気であれば幼稚園や保育園、学校への登園は可能とされています。

おわりに:口内炎か手足口病か、見極めて正しい対処を

口腔内に発疹ができるため口内炎と手足口病は似ており、間違えてしまうかもしれません。しかし、発疹のできている部位を観察し、どちらか見極めることが治療のためには大切です。また、口内炎に伴う脱水などの合併症に注意しましょう。

なお、手足口病は本人がつらくなければ保育園や幼稚園へ登園可能ですが、その際にはしっかりと園側に状況を伝え、感染予防策をとってもらうようにしましょう。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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