子宮内膜症とは!? ひどい生理痛や不妊の悩みの解決のために

2018/4/2

三上 貴浩 先生

記事監修医師

東大医学部卒、医学博士

三上 貴浩 先生

子宮内膜症は、ひどい月経痛(生理痛)や月経困難の症状に悩まされたり、不妊の原因になることもあります。
この記事では、子宮内膜症の基礎知識とセカンドオピニオンについて解説します。女性特有の症状や不妊で悩んでいる人は、自分にあった治療方法を選ぶための参考にしてください。

子宮内膜症とはどんな病気?

子宮内膜症とは、子宮内膜またはそれに似た組織が何らかの原因で、本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生し発育する疾患です。
子宮では毎月、月経(生理)によって内膜が剥がれ落ちますが、子宮内膜症になると子宮内膜から組織の一部が卵管を通って逆流し、卵巣、骨盤、膀胱などに入ることがあります。子宮内膜組織は、月経時に子宮の内膜と同じように腫れて出血するため、このとき痛みを伴い、瘢痕組織が骨盤領域に形成されることがあります。

発症の原因

子宮内膜症の原因は詳しいことはわかっていません。
しかし、1920年代から主に考えられているのは子宮内膜移植説(月経逆流説)で、月経血が子宮以外のところへ逆流してしまうことによるものとし、広く受け入れられている説となります。

子宮内膜症の症状

子宮内膜症の代表的な症状は痛みと不妊です。
痛みは特に子宮内膜症と診断された人の90%程に出現するとされています。
また、痛みは月経時以外にも腰痛や下腹部痛が出現することが特徴です。
他にも排便痛や性交痛も出現します。
さらに、子宮内膜症の患者の約30%に不妊があると考えられています。

診断に必要な検査

症状からは子宮内膜症と診断することはできませんが、性行為中や月経の始まりに重度の痛みがある場合、または腰痛や直腸痛がある場合、子宮内膜症が疑われます。ただし、ほかの多くの病気でもこのような痛みを引き起こす可能性があるため、診断には内診・エコー検査・腫瘍マーカー・MRIでの検査が必要です。
また、病状がかなり進行していると判断された場合は、腹腔鏡検査で病巣の状態をさらに詳しく検査することもあります。

腹腔鏡検査は、小さく切開した穴からお腹の内側に細いチューブを挿入し、子宮の中を見る検査方法です。子宮内膜症の病変(ブルーベリースポットという腹膜病変や卵巣のチョコレート嚢胞などがあります)の様子を細かく確認することができます。

治療方法

治療法には大きく分けて薬剤によるものと手術によるものがあります。
薬剤の第一選択は鎮痛剤で症状を緩和して経過を見ます。

鎮痛剤で症状が緩和しない場合や重症で日常生活に支障をきたしてしまう場合は、低用量ピルや黄体ホルモン剤などのホルモン剤で治療していきます。ただし、ホルモン剤には副作用(体のほてりや腟の乾燥、顔の発毛、にきびなど)を引き起こすことがあるので注意が必要です。
子宮内膜症は閉経時にによって女性ホルモンの分泌量が減少すると改善されることが多いです。そのため、症状がそこまでひどくない場合は、鎮痛剤で症状を緩和して様子をみることもあります。

手術について

子宮内膜症の治療のために行われる手術は内膜症性のう胞(チョコレート嚢胞)などの病巣部がはっきりしている場合が適用となります。手術中(または診断中の腹腔鏡検査中)、医師は不適切な場所にある子宮内膜組織を除去します。重症の子宮内膜症の場合や妊娠を希望しない場合は、子宮摘出術(子宮や卵巣を完全に除去する手術)がすすめられるケースがあります。

子宮内膜症と妊娠について

子宮内膜症の女性の中には、妊娠するのが難しい人がいます。また子宮内膜症により、妊娠を助けるための手術やその他の不妊治療が必要な人もいます。

子宮内膜症の人が妊娠を希望する場合、すぐに治療をするように医師からすすめられる場合があります。これは、子宮内膜症は年を重ねるにつれて悪化する傾向があり、妊娠する可能性も低くなってくることが関係しています。
ただし、子宮内膜症の治療をしたからといって、妊娠の可能性が向上するわけではないことは理解しておきましょう。

また、不妊の原因が子宮内膜症だけにあるとは限りません。医師と相談しながら、自分の年齢やライフスタイル、体の状態にあわせた治療を進めていきましょう。

セカンドオピニオンも検討しよう

セカンドオピニオンとは現在の治療の進行状況などの情報をもとに次の段階の治療方法や治療の選択などについて、現在治療を受けている担当医とは別の医師に意見を求めることで、患者側が納得いく治療法を選択することを目的としています。
特に生殖器や不妊の治療はデリケートな問題であり年齢のリミットもあることから、治療は慎重に選択することが必要となります。

そのため、現在の治療法に納得できない、ほかにも治療法があると思うと考えている場合にはセカンドオピニオンを利用することもできます。
セカンドオピニオンはあくまで第2の意見を求めるためのものであり、主治医を変えるためのものではありません。そのため、手軽に受診してみてはいかがでしょうか。

おわりに:子宮内膜症の症状には個人差がある。納得できる治療を選ぶことが大切

子宮内膜症の症状には個人差があり、不妊の原因が一概に子宮内膜症によるものとは言い切れません。そのため、医師と相談しながら、自分の環境やライフステージなどにあった治療を選択することが大切です。必要にあわせてセカンドオピニオンも選択肢に入れながら、納得できる治療方法を選択できるようにしてください。

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