記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/2 記事改定日: 2019/2/13
記事改定回数:1回
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
手足口病では発疹や発熱といった症状が現れますが、高熱はあまり多くないともいわれています。こちらの記事では、手足口病の症状や、高熱が続く場合に注意したい病気などについて解説します。
手足口病は、水ぶくれのような赤みを帯びた発疹を生じる、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどのウイルス感染が原因で起こる夏風邪の一種です。
例年夏になると、幼稚園や保育園などでは乳幼児の間で手足口病の集団感染が起こることが知られています。
病名が示す通り、発疹は手のひら、足の裏や足の甲、口の内部、さらには背中からお尻のあたりにかけて現れます。皮膚に生じる発疹は痛みや痒みを生じない、もしくは生じても軽度であるとされていますが、口の中の発疹は食べたり飲んだりすることも困難になるほどの痛みを生じることがあります。
手足口病全体の1/3程度に発熱するケースはあるものの、発熱したとしても基本的には38℃前後と、解熱剤が必要になるほど高熱になることはほとんどなく、発疹は体中にできても熱は出なかったということのほうが多いようです。なお、熱が出るのは発症初期が多いといわれています。
手足口病によって発熱した場合、基本的には2~3日以内に解熱することがほとんどです。しかし、大人が感染した場合は重症化しやすく、まれに一週間程度発熱が続くこともあります。
発症してから3日以上熱が続いている場合は、脱水症状などを併発することもあるため病院を受診して治療を受けるようにしましょう。
手足口病は主に乳幼児の間で流行しますが、大人が全く罹らないとは限りません。
幼少期に罹ったことがあったとしても、手足口病の原因ウイルスは複数あるため、罹ったことのないウイルスが原因の手足口病が流行すれば、大人でも感染・発症します。
とくにストレスや疲れ、睡眠不足などによって体力や免疫力が落ちている際には、手足口病に罹りやすくなります。
原因ウイルスや人にもよりますが、大人が手足口病を発症するとより激しい症状が現れることがあり、重症化しやすいです。
40℃に達するような高熱が出たり、歩くこともできないほど強い痛みが出る発疹が足にできたり、口内の発疹の痛みのために水分すら摂れなくなったりするケースが見受けられます。
頭痛や体のだるさ、高熱に伴う関節痛、筋肉痛といった症状が現れることも少なくありません。
手足口病で高熱が出ないとは限らないものの、熱は出ないか出ても高温にならないケースが多いと言えるでしょう。そのため、一度は手足口病と診断されても、高熱が続く場合には以下のような病気の可能性も考えられます。
手足口病と同様に春から夏にかけて乳幼児の間で流行する病気で、手足口病と並ぶ夏風邪のひとつでもあります。エンテロウイルス、コクサッキーウイルスが原因である点でも手足口病と同じです。ヘルパンギーナでは、38~40℃の高熱が1~3日間続き、痛みを伴う小さい水疱が口の中に生じます。
手足口病では髄膜炎、小脳失調症、脳炎、心筋炎、神経原性肺水腫、急性弛緩性麻痺といった合併症が引き起こされることがあります。ただし、こういった合併症が起こるのは極めてまれです。
手足口病は熱が下がったとしても、唾液や便、破れた水疱などに含まれるウイルスによって感染する可能性があります。
基本的には、発熱が治まって水分補給や食事を十分に摂れる状態であれば登校登園を再開しても構いません。しかし、発症後2~4週間はウイルスの排出が続きますのでマスクの着用や用便後の手洗い・手指消毒を徹底し、皮疹が残っている場合はプールや水遊びなどの授業への参加は控えるようにしましょう。
たとえ一度手足口病と診断されていても、以下のような症状が見られる場合には重症化やほかの病気の可能性も考えられるため、速やかに受診してください。
以上にあてはまらない場合でも、いつもと様子が違う、おかしいと感じることがあれば受診しましょう。
手足口病では、熱が出る場合もありますが、熱が出ない場合や38℃に満たない場合が多くを占めています。40℃近い高熱や嘔吐、頭痛といった症状が続くのであれば、他の病気や合併症のおそれも考えられるため、一度受診すると良いでしょう。