手足口病の発疹はいつまで続く?かゆみや痛みの対処法は?

2018/5/6

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

手足口病は毎年夏に流行し、子供の間でしばしば爆発的に流行する病気です。こちらの記事では、手足口病の症状や、症状が続く期間、痛みやかゆみへの対処法などについて解説します。

手足口病の症状にはどんなものがある?

手足口病とは、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなどといったウイルスに感染することで起こる病気で、毎年のように、特に乳幼児の間での集団感染が確認されています。夏風邪の一種とも言われており、7月下旬をピークとした夏期に流行することも特徴です。

手足口病では、ウイルスへの感染後3~5日の潜伏期をおき、一般的に以下のような症状が見られます。

発疹

病名が示す通り、手や足、口などに大きさ2~3mm程度の赤みを帯びた水ぶくれが生じます。手足口病の発疹は一見すると水ぼうそうの水疱にも似ており、場合によってはかゆみや痛みを伴うこともあります。

発熱

発熱が生じるのは症例全体の3割程度です。熱が出たとしても38℃前後で済むことがほとんどで、それ以上の高熱はまれだと言われています。

手足口病の症状は大抵3~7日で軽減するものの、下痢や嘔吐、頭痛などの症状が見られることがあります。こうしたケースでは重篤化が考えられるため、注意が必要です。

手足口病の発疹が出やすいのはどこ?

手足口病の発疹は以下のような部位によく生じます。

口の中

口の内側の粘膜や舌に小さな水疱ができます。特によく見られるのは、口唇の内側、ほおの内側、舌の表と裏、軟口蓋(上あごの裏側で、やや口内の奥のほうにある柔らかい部分)、歯茎などです。水疱が破れることによって発疹が潰瘍状になることも珍しくありません。

手のひらや、指と指の間に水疱が認められます。手のひらだけにおさまらず、肘のあたりに生じることもあります。

足の裏にできることが多くありますが、指の間や甲、膝にも生じます。

背中

手足口病という病名ではありますが、首の裏から背中、腰、お尻のあたりにまで水疱が生じるケースは少なくありません。

なお、発疹が生じる部位や発疹の量は個人差が大きく、発疹がほとんど見られない人もいれば、体中に無数の発疹が現れるケースもあります。

発疹のかゆみや痛みはいつまで続く?

手足口病において、皮膚の発疹にかゆみや痛みを伴うことはまれです。ただし、口内にできた発疹は、軽度あるいは強い痛みを生じやすいことが知られています。口内の発疹の量や位置により、刺激性の少ない食べ物でもしみたり痛みを感じたりすることから、お腹が空いているのに食べ物や飲み物を受け付けられないケースは珍しくありません。皮膚の発疹であっても、人によっては掻き壊したくなるほどのかゆみや軽度の痛みを感じることもあります。

手足口病を発症すると、発熱の後1~2日の間に発疹が現れ、発疹は特別な治療を行わなくとも1週間~10日ほどで自然に消えていくのが一般的です(初期の発熱がないケースも多くあります)。かゆみや痛みも発疹の消失と同時に軽快するでしょう。

かゆみや痛みにはどう対処すればよい?

現在のところ、手足口病に有効なワクチンや特効薬はなく、手足口病はウイルスが原因の感染症であることから、抗生物質を投与しても効果はありません。基本的には症状は軽度であると言われており、特別な治療は行われないことが多いでしょう。

皮膚の発疹に痛みやかゆみを伴っていても、副腎皮質ステロイド剤などの強い薬を用いることはまれで、かゆみを抑えるための抗ヒスタミン外用薬や内服薬などが処方されます。口内の発疹の痛みに対しても根本的な治療薬はないため、まずは刺激性の少ない食べ物や飲み物を摂ることが推奨されています。

症状や受診する医療機関によっては、口腔用外用薬やうがい薬が処方されることもあるでしょう。口内の発疹が悪化して水分も摂れず脱水を起こしている場合には、点滴による水分補給が行われます。

かゆみがひどいときは病院へ

手足口病の発疹の状態がひどい場合には、とびひである可能性が考えられます。とびひは正式名称を「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といい、手足口病と同様に夏に流行しやすい皮膚疾患のひとつです。もともとあった虫刺されやアトピーなどによる湿疹を掻き壊したところに、黄色ブドウ球菌やA群β溶血性連鎖球菌などの常在菌が入り込むことで生じるケースが多いことが知られています。

手足口病で皮膚を掻いてしまうと、皮膚のバリアが弱まるために、抵抗力の弱い子どもはとびひにかかりやすくなることがあると言われているため、注意が必要です。発疹がなかなか治らなかったり、かゆみや痛みがひどかったりする場合には速やかに受診しましょう。

おわりに:手足口病の痛みやかゆみがひどい場合は病院へ

手足口病では、皮膚の発疹の痛みやかゆみはまれではあるものの、口内の発疹には痛みやかゆみが伴うケースが多く見受けられます。水分も摂れない場合には脱水の危険性があり、皮膚の発疹のかゆみが強い場合にはとびひのおそれも考えられるため、気になる症状がある際には病院を受診してください。

※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。

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