糖尿病でかゆみが出るのはどうして?陰部もかゆくなるって本当?

2018/5/2

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

糖尿病の症状といえば、のどの渇きや多尿・頻尿などが有名ですが、実は皮膚や陰部のかゆみも現れることがあります。今回の記事では、なぜ糖尿病になるとかゆみが現れるのか、そのメカニズムや対処法を紹介していきます。

糖尿病でかゆみが出る原因は?

糖尿病とは、すい臓から出るインスリンの分泌が不足することで慢性的に血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が上がる病気です。

糖尿病には1型と2型があり、1型糖尿病は子供や若者に多く見られます。1型糖尿病はすい臓の細胞が何らかの原因で破壊され、インスリンが分泌されなくなってしまうことによって起こります。一方、2型糖尿病は中高年に多く、遺伝や生活習慣が主な原因です。2型糖尿病は日本の糖尿病患者の約90%を占める割合で、「現代病」「生活習慣病」とも呼ばれています。

糖尿病の主な症状には尿の量が多くなる、喉が渇く、疲れやすくなる、体重が減ることなどがあげられますが、かゆみを感じる症状があるのはご存知でしょうか?

血糖値が高い状態が続くと、血流が悪くなったり免疫機能が低下したりします。このような状態だと皮膚感染症にかかりやすく、乾燥や炎症によってかゆみが引き起こされやすいのです。さらには主症状である多尿によって脱水症状になり、皮膚が乾燥するのも原因の一つです。

また、糖尿病では自律神経障害を引き起こすこともあるので、発汗異常でたくさんの汗が肌を刺激したり、逆に全く汗をかかないことで皮膚が乾燥したりすることもかゆみの原因と言われます。

かゆみの症状はどんな感じで出てくる?

意外と知られていませんが、皮膚の乾燥やかゆみは糖尿病の症状の中でも比較的早くあらわれるものと言われています。糖尿病患者の3人に1人がかゆみの症状を訴えるというデータもあるほどです。

かゆみが生じている皮膚には、乾燥して「カサカサ」している場合と、膿んで「ジュクジュク」している場合があります。患部をかきむしってしまうとその部分から細菌が入り込み、高熱や糖尿病性昏睡、重篤になると壊疽(壊死した部分が黒く変色すること)を引き起こす危険性が高くなります。皮膚のかゆみで病院を受診したら糖尿病だったというケースもありますので、少しでも異常を感じたら医師に診てもらいましょう。

陰部のかゆみや水虫も糖尿病が原因って本当?

糖尿病で発症しやすい代表的な皮膚感染症には、「白癬症(水虫)」「カンジダ症」があげられます。

白癬症は足の裏や手足の指にかゆみを感じることが特徴です。カビが原因で引き起こされ、一度発症すると自然治癒はできませんので早めに治療を行いましょう。

カンジダ症は性感染症のひとつとして知られており、とくに女性が発症しやすいです。陰部や肛門、あるいは太ももの内側や乳房の下などの常に湿っているような部分に生じやすく、激しいかゆみを伴いますので早急に治療を行ってください。

その他の皮膚にみられる症状では、傷が治りにくく化膿しやすい、たこができやすい、おできができるなど腫れや痛みを感じるケースもあるようです。

糖尿病によるかゆみの対処法は?

糖尿病から起こるかゆみの治療には、まず血糖値をコントロールすることが必要です。血糖値が正常な範囲内に落ち着くように、薬による治療や規則正しい食事、適度な運動を行いましょう。

つらいかゆみにはかゆみ止めの塗り薬を使用し、感染症を引き起こしている場合には抗生物質を用います。市販されている薬も多く存在しますが、患部の状態に合わせて適切な薬を選ばないと逆効果になることも考えられますので気を付けてください。

かゆみを引き起こさない対処法としては、むやみに触らないこと、乾燥している部分を保湿して潤すこと、入浴で体を清潔に保つこと、石鹸は低刺激なものを使うことなどがあげられます。

また、感染症を引き起こさないためには、家族と足ふきマットやバスタオルを共有しないこと、公共浴場やプールなどの不特定多数の人が利用する場所に行かないことが必要です。

おわりに:そのかゆみは糖尿のサインかも?早めの受診を

心当たりのないかゆみの原因は、糖尿病の初期症状かもしれません。早めに対処することで糖尿病そのものの悪化を防ぐことも可能ですので、ただのかゆみだからと放置せず、重篤化する前に医師による診察を受けましょう。

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