記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/7 記事改定日: 2019/11/25
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
口の中や手足に水ぶくれができる「手足口病」では、皮膚のかゆみを伴う場合があります。このかゆみはいつまで続くのでしょうか?
この記事では、手足口病のかゆみが続く期間とかゆみを抑える対策について解説していきます。
患者の年齢や体質などによって個人差もありますが、一般的には、手足口病によるかゆみは発疹が出てから1週間以内に治まるケースが多いです。
手足口病によるかゆみの症状の出方と期間については、以下のようになります。
※上記は一般的な例で、症状の重さや出方には個人差があります。
手足口病の治療法は、薬物を使って症状を抑える対症療法が中心になりますが、手足口病のかゆみが強い場合には、「やっていいこと」と「ダメなこと」があります。
手足口病によるかゆみを軽減するためには、ジフェンヒドラミンが含まれた新レスタミンコーワ軟膏®やアゼラスチンが含まれたムヒAZ錠®などの内服薬が有用です。
皮膚のかゆみに対しては、ステロイドの含まれる塗り薬を使用する人もいますが、手足口病の時にステロイドを使用すると、ウイルスの活性を高めて症状を悪化させることがありますので控えましょう。
ただし、市販薬で症状を軽減できる場合でも、かゆみが漫然と長引くような場合には病院を受診して適切な検査・治療を受けるようにしてください。
手足口病のかゆみ以外の症状で代表的なものは
などです。
水疱の出方、かゆみ・痛み・発熱の程度など症状には個人差が大きいですが、特に口の中の水疱は口内炎になりやすいため、痛みが強くなる傾向があります。
5〜7月ごろの夏季に流行しやすく、5歳未満の幼児がかかりやすい感染症であることから、ヘルパンギーナや咽頭結膜炎と並び、子供がかかりやすい夏風邪の代表格とされます。
人によっては水疱が背中に出たり、発症から1〜2か月後に手足の爪がはがれ、生え変わるという症状も報告されています。
またごくまれに、重症化するとウイルスが脳や髄膜にまで入り込み、髄膜炎や脳炎などの合併症を引き起こすこともあります。
手足口病はウイルス性の感染症であるため、一度感染・発症すると体内に抗体ができて耐性がつくため、大人が感染・発症することは少ないといわれています。
実際に、手足口病の患者のおよそ80%は5歳未満の幼児と報告されていますが、以下のような条件を満たす場合は、大人への感染も起こり得ることがわかっています。
大人が発症した場合も基本的な症状は同じですが、発疹の出方や出る場所が子供と異なるケースもあり、手足口病だと気づけないケースも多いです。
また、子供に比べて高熱や悪寒、のどの痛みなどの重い風邪のような症状や、脳炎など重篤な症状に進行しやすいともいわれていますので、注意が必要です。
手足口病はウイルスによる感染症です。一度感染すると免疫ができるため再び感染することありません。しかし、手足口病の原因となるウイルスは数が多いため、別のウイルスに感染した場合は再び手足口病を発症することがあります。
手足口病は子供の間で流行しやすい感染症ですが、そのウイルスに対して免疫を持っていない場合は大人から大人に感染して手足口病を発症することもあるのです。
職場復帰する際は次のことに十分注意して周りに感染を拡げないようにしましょう。
発疹・発熱・悪寒などの辛い症状が出る手足口病ですが、発疹によるかゆみと痛みのピークは、発症から4日目くらいまでと言われています。この4日目を超えるまでは、身体を冷やしたり、かゆみ止め・痛み止めの薬を上手に活用して症状を緩和するしかありません。
ただし医療機関を受診すれば、症状と体質に合ったかゆみ止め薬を処方してもらえますので、手足口病が疑われる症状が出たら、年齢にかかわらずすぐに病院に行ってくださいね。