記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/19 記事改定日: 2019/2/13
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
「手足口病=手や足、口の中に水ぶくれや発疹ができる病気」と思っている方は非常に多いですが、おしりにも発疹が出ることはあるのでしょうか?
発疹の特徴と原因、対処法を併せて解説します。
手足口病の代表的な症状は、手と足の表裏、口の中に出る赤い水疱状の発疹、発熱などです。しかし、皮疹の出方や出る場所には個人差が大きく、手・足・口のいずれか一か所だけに症状が現れることもあれば、すべての箇所に症状が出ることもあります。
また、手・足・口以外にも背中やおしりの肛門付近、膝やひじの裏などに皮疹が出ることも多いです。ただし、子供のおしりに皮疹が出た場合にはおむつかぶれと間違われることもあるので、病気の発見においては注意が必要です。
手足口病では、中心部が水膨れになった2~3㎜の皮疹が形成されます。おしりにできることもあり、乳幼児ではおむつとの摩擦などで水膨れが破れて潰瘍やびらんを引き起こすことも少なくありません。
このため、一般的なおむつかぶれと間違えられることがありますが、以下のような場合には手足口病を疑って対処しましょう。
手足口病の感染経路には、咳やくしゃみによる「飛沫感染」、物品を共有することによる「接触感染」、糞便を経由する「糞口感染」があります。
手足口病の発疹がおしりに特に出ている場合は、トイレの共有により、便器に残っていた糞便やウイルスから感染した可能性が考えられます。
また、手足口病を引き起こすウイルスは1種類ではないため、原因となったウイルスの種類が違えば、症状の出方が異なることも多いです。
このように、感染経路やウイルスの種類の違いが原因となり、手足や口だけでなく、おしりにも赤い発疹が出るケースもあるものと推測できます。
手足口病を根本治療する方法はなく、発疹による痛みやかゆみ、発熱などの症状を薬で抑える対症療法で治療していくことになります。これはおしりに出た発疹に対しても同様で、かゆみがひどい場合は抗ヒスタミン薬を塗布してかゆみを抑える治療を行います。
なお、抗ヒスタミン薬は薬局でも市販薬が手に入りますが、子供の年齢や症状にあわせた薬を手に入れるためにも、医師に診断・処方してもらった薬を使うのがおすすめです。
また、上記の薬による対症療法とあわせて自宅での療養・ケアも行いますが、このときに家庭内の他の子供や、大人への感染拡大を予防する対策を取ることも重要です。特に、大人が手足口病に感染・発症すると子供よりも重症化するケースが多いので、手洗いと消毒を徹底し、タオルを共有しないなどの対策を行ってください。
手足口病という名前だけを聞くと、手・足・口だけに発疹が出るものと思い込み、おしりに発疹が出ることで不安になる方もいらっしゃいますが、おしりに発疹が出ることもよくあります。
おしりに手足口病による発疹が出たときも、医師の指示に従って他の部位と同じようにケアしていけば大丈夫です。この記事を参考に、正しい治療とケア、そして感染予防の方法を知っておきましょう。