記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/26 記事改定日: 2019/7/12
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
手足や口の中に水ぶくれのような発疹ができたり、発熱を伴ったりする手足口病。治療では一体どんなことが行われるのでしょうか?疑わしい症状が出たら、何科を受診すればいいのでしょうか。
手足口病は、風邪の原因にもなるコクサッキーウイルスやエンテロウイルスに感染することで発症する病気です。
ウイルスに感染してから3〜5日後に発症し、代表的な症状として手と足の裏表、口の中、背中、おしりなどへの発疹と発熱などが現れます。
発疹の出方や痛み・かゆみの程度には個人差が大きく、発疹には水泡状のものもあれば、2〜3mmほどの大きさの赤いぶつぶつが出ることもあります。また、口の中にできた発疹は口内炎や潰瘍になりやすいため、特に痛みを伴う可能性の高い症状になります。
一度感染するとそのウイルスへの耐性ができるため、同じウイルスで発症することはなくなりますが、別のウイルスが原因の手足口病には引き続き感染・発症のリスクがあります。このため、0歳児から大人まで、すべての人に感染・発症リスクのある病気なのです。
ウイルスによる感染症である手足口病には、予防できるワクチンも根本治療の方法もありません。
以下のような対症療法で治療していくことになります。
自然治癒が見込める病気のため、症状が軽ければ経過観察と自宅療養のみで回復できることもありますが、他の病気の可能性もあるので一旦は病院で診断を受けましょう。
病院の診療科目としては、基本的には患者が子供の場合は小児科、大人の場合は皮膚科に相談するかたちで大丈夫です。
近くに小児科のある病院が思い当たらないときは、皮膚科の病院に連絡してみて、病院の紹介や受診のアドバイスを仰いでみても良いでしょう。
手足口病は子供がかかりやすい感染症ですが、当然ながら大人が感染することもあります。
大人が発症したときは重症化して合併症が引き起こされることがあり、合併症の中には、髄膜炎や脳炎、心筋炎など命に関わる重篤なものもあります。
手足口病の原因ウイルスに対する抗ウイスル薬は存在しないため、治療は諸症状への対症療法が中心になります。
合併症を生じた場合でも
など、それぞれの状態に合わせた対症療法が行われます。
手足口病にかかったときは「周囲への感染拡大」を防ぐ対策が必要です。とくに同じ家の中で暮らし、さまざまな物・空間を共有している家族間では、子供だけでなく大人も含めて感染拡大する可能性が高いので注意しましょう。
家族内で手足口病の患者が出た場合は、マスクを着けて飛沫感染を予防し、石鹸での手洗いと排泄物の密閉処理を徹底するなどして、接触・糞口感染も予防する必要があります。
子供の看病で大人が感染してしまうケースも多いので、自分と家族を守るためにも予防は徹底してください。
また、薬を使っていなくても、自宅での看護・ケアは必要になります。発疹を冷やしたり、口内炎に沁みにくい食事内容にする、こまめに水分補給するなど、しっかり管理してあげましょう。
手足口病には特効薬がなく、根本治療ができないため、感染・発症した場合は、症状を和らげるための対症療法を行っていくことになります。
それでも、重症度や病名を判断してもらい、症状に応じた薬を処方してもらうために、一度は病院に行くことをおすすめします。自分や家族に手足口病が疑われる症状を見つけたら、すぐに小児科や皮膚科の医師に相談してくださいね。