記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/24 記事改定日: 2020/2/10
記事改定回数:2回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
主に夏場、子供の発症率が高い手足口病ですが、疑わしい症状が出た場合、どんなタイミングで病院を受診すればいいのでしょうか。
まれにではありますが、合併症で危険な状態になることもある病気です。治療が遅くならないようにするためにも、きちんと覚えておきましょう。
手足口病は、夏季に流行するウイルス性の感染症の一種で、感染すると数日で手と足の裏表、口の中、背中、おしりなどへの発疹、発熱などさまざまな症状を発症します。
原因となるコクサッキーウイルスやエンテロウイルスは風邪の原因ともなり、人によっては悪寒や高熱など風邪のような症状が出るため、初期では診断が難しい場合もあります。
ただ、手足などへの赤い発疹やぶつぶつ、または水疱状のぷくっとした発疹、口の中に多数の口内炎ができるのは、手足口病の特徴的な症状です。
このような症状が出ている場合は診断もつけやすくなりますので、発疹を発見した時点で病院を受診し、医師に診断をしてもらうのが良いでしょう。
手足口病を引き起こすエンテロウイルスやコクサッキーウイルスは比較的感染力が強いウイルスです。これらのウイルスに免疫のない子供の間ではとくに感染が起こりやすく、手足口病を発症した家族がいると兄弟などに感染する可能性があります。また、大人は感染にしにくいとされていますが、看病をしている母親など濃厚な接触のある家族も感染するリスクは少なくありません。
エンテロウイルスやコクサッキーウイルスに対する抗ウイルス薬は存在しないため、治療はのどの痛みに対する鎮痛剤、発熱に対する解熱剤などの対症療法が主体となります。
このため、発症したとしても症状が軽い場合は必ずしも病院に行かなければならないわけではありませんが、高熱が出ていたり、口の中の水疱の痛みで十分な飲食ができない場合はできるだけ早く病院で治療を受けるようにしましょう。
手足口病の発症が疑われる症状が出ているときに受診が適切と考えられる診療科目には、小児科・内科・皮膚科・耳鼻科などが挙げられます。
小児科を受診しましょう。
手足口病は重症化すると、髄膜炎や脳症、心筋炎などの重篤な合併症を引き起こすことがあります。以下のような症状が見られる場合は、危険な状態である可能性がありますので、休日・夜間を問わず早めに病院を受診するようにしましょう。
手足口病はエンテロウイルス感染によって発症します。エンテロウイルスに有効な抗ウイルス薬は存在せず、治療は「高熱に対する解熱剤」、「痛みに対する消炎鎮痛剤」、「かゆみに対する抗ヒスタミン薬」、「脱水に対する点滴」などの対症療法を行うことになります。
また、重症化して呼吸が苦しくなった場合などには酸素投与や吸入治療が行われることもあります。
治療方法は、それぞれの症状や重症度によって異なりますので自己判断で治療の必要性を判断することなく、早めの受診が大切なのです。
自然治癒も見込める手足口病ですが、病気の特定や、病院側が流行状況を把握するためにも、一度は病院で診断を受けることが推奨されています。
風邪のような初期症状も出るため診断が難しいケースもありますが、特徴的な手足や口の発疹が出てきたら、できるだけ早く病院に行ってください。