記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/19
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
近年とある研究によって、「コーヒーには2型糖尿病の予防効果がある」という説が注目を集めています。果たして本当に効果はあるのでしょうか?また、糖尿病でもコーヒーを飲んで大丈夫でしょうか?
嗜好品として愛飲している人も多いコーヒーですが、近年、2型糖尿病の予防効果があるのではないかといわれるようになりました。
その可能性が初めて示唆されたのは、2002年のことといわれています。オランダで行われた大規模な研究で、1日7杯以上コーヒーを飲む人は、2杯未満の人に比べて、糖尿病を発症するリスクが半分以下になったと報告されました。その後、日本をはじめ各国でコーヒーと糖尿病に関する研究が行われており、そのほとんどでコーヒーの摂取で糖尿病予防の効果があるとの結果が出ています。
日本で16週に及ぶ研究を行った結果によると、コーヒーを1日に3〜4杯飲むことがおすすめとされています。ただし、まだ詳細なメカニズムはわかっていません。予防にもっとも効果があるのは食事と運動なので、補助程度に考えておいた方が良いでしょう。
コーヒーが健康に良いといわれている理由のひとつに、ポリフェノールがあります。このポリフェノールが含まれている食材はほかにもあり、代表的なものがココアやチョコレート、お茶です。
ココアやチョコレートを適度に摂取していると、血圧を下げる効果や血管の機能を良くする効果などがあると考えられていて、チョコレートを食べる人は、循環器病による死亡率が低いともいわれています。
お茶については、血圧の変化はないようですが、糖尿病になりにくいことや動脈硬化などの予防効果があると考えられています。一部では、循環器病による死亡率も低いと言われているようです。
コーヒーについては、循環器病との関連はまだ明確になっていません。しかし、前述した通り、糖尿病の予防効果についてはある程度示唆されています。
コーヒーに糖尿病の予防効果があることはわかりました。しかし、糖尿病をすでに発症している人は、摂取するべきではないのでしょうか?
缶コーヒーなどは糖分が多く、あまり摂取はすすめられません。飲むのであれば、砂糖を抜いて飲むことをおすすめします。間食の食べ過ぎ防止目的で、ゆっくりと適度な量を摂取するのも良いでしょう。
コーヒーは糖尿病予防に効果があると言われていますが、すでに発症した糖尿病を改善する効果があるわけではありません。糖尿病をお持ちの方は、摂取する際には砂糖の有無などに注意して適度に飲むようにしましょう。また、予防効果に関するメカニズムもはっきりとしていないので、コーヒーだけで予防しようとするのは危険です。運動や食事にも気を配る必要があることを念頭に置いた上で、取り入れることをおすすめします。