妊娠初期に貧血になると危険!?どうやって対策すればいい?

2018/4/17 記事改定日: 2019/1/31
記事改定回数:1回

前田 裕斗 先生

記事監修医師

国立成育医療研究センター フェロー

前田 裕斗 先生

貧血は妊娠初期に起こる諸症状の中でも経験する妊婦さんが多い症状です。
妊婦さんが貧血になると、寒気を感じたり冷え性が悪化したりするようになります。
そこで今回は、妊娠初期の貧血対策におすすめの食べ物をご紹介します。

妊娠初期の貧血の症状とは

妊婦が貧血になると寒気を感じたり冷え性が悪化したりするようになります。
これは、赤ちゃんに優先的に血液が運ばれるようになって子宮周辺に血液が集中し、血液の流れが悪くなることが可能性として考えられます。

つまり、妊娠初期に「風邪ではないのに寒気を強く感じる」というときは、貧血になっている可能性があるということです。

そのほかの症状

妊娠初期の貧血では、「寒気」のほかにも下記のような症状が起こります。

  • めまい、ふらつき
  • 動悸・息切れが起こりやすくなる
  • 疲れやすくなる
  • 舌の炎症や口内炎を発症する
  • むくみやすくなる

妊娠初期の貧血はお腹の赤ちゃんにどう影響する?

妊娠初期に貧血になったからといって、すぐにお腹の赤ちゃんに影響があるわけではありません。胎盤が出来上がる前の妊娠初期の段階では、母体の栄養・健康状態は赤ちゃんに大きな影響を与えないことがわかっています。

しかし、重度な貧血がある場合は、めまいや立ちくらみなどを引き起こすことがあり、思わぬ転倒によって怪我をすることがあります。妊娠初期であっても転倒によってお腹や腰を強く打つと流産の危険が生じますので、貧血気味の人は妊娠初期からしっかりと対策していく必要があるのです。

妊娠初期の貧血対策におすすめの食べ物は?

妊娠初期には特に貧血になりやすいため、日頃から意識して鉄分を摂取するようにしましょう。
鉄分を含んでいる食べ物の代表例というとレバーやほうれん草などをイメージすると思いますが、実は鉄分の吸収率や食べ方は含まれている鉄分の種類によって異なります。

ヘム鉄を含む食べ物

鉄分の中でも「ヘム鉄」は体内へ吸収されやすいため、妊婦さんは積極的に食べるのがおすすめです。
ヘム鉄は肉類なら〈レバー、牛や豚のモモ肉〉などが、魚介類なら〈カツオ、マグロ、サンマ、煮干し〉などの動物性タンパク質と海藻類に多く含まれています。特に海苔には鉄分が多く含まれているので、貧血予防への効果が期待されています。

非ヘム鉄を含む食べ物

非ヘム鉄を多く含む食材は、野菜なら〈小松菜やホウレンソウ〉がありますし、豆類なら〈納豆、木綿豆腐〉が、果実なら〈プルーン、レーズン、いちじく〉が、ナッツ類なら〈クルミやカシューナッツ〉などです。
鉄分の中でも「非ヘム鉄」は体内への吸収率があまりよくありません。

そのため、「鉄分を含んだ食べ物をしっかり食べているのに貧血が治らない」ということが起こりがちです。

たとえば、ほうれん草に含まれているのは非ヘム鉄なので、ホウレンソウだけを食べていても貧血の改善効果はそれほど期待できないかもしれません。

非ヘム鉄はビタミンCやタンパク質を多く含む食品と同時に食べるとヘム鉄に変化させることができるため、食べ方を工夫すれば鉄分の吸収率を上げることができます。

たとえば、ホウレンソウのおひたしを作ったら、かつお節でタンパク質を、ポン酢をかけてビタミンCを補給すれば鉄分を吸収しやすくなります。

貧血がひどいときは、病院で点滴することも

妊婦検診で貧血と診断された場合には、より効率良く鉄分を補給するために医師から鉄剤を処方されることがあります。

鉄剤は貧血の改善に有用なのですが、鉄剤を服用すると胃もたれや便秘などが引き起こされることがあるので、そのような症状がみられた場合は医師に相談して違う薬剤に変えてもらったり便秘薬と併用するなどの対処をしてもらいましょう。

妊娠初期の貧血の注意点

妊娠初期の貧血では、以下の2つの点に注意しましょう。

食生活の見直し

上記でもふれましたが、貧血の改善には食生活の見直しが必要です。あさりやしじみなどの貝類やほうれん草などの緑黄色野菜、プルーンなど、鉄分が豊富に含まれている食べ物を積極的摂るようにしましょう。

とくにプルーンは便秘解消にも効果があり、妊婦さんにはおすすめの食べ物です。
妊娠中は便秘になりやすいことから痔になってしまうという妊婦さんも多いといわれていますが、プルーンは貧血と便秘の両方を予防することができるのです。

また、貧血が軽いようであればサプリメントなどで鉄分を補う方法もあります。
葉酸をサプリメントで摂る妊婦さんが多いので、同時に鉄分のサプリメントも一緒に摂るようにしてみてください。

転倒時の対策

妊娠初期の貧血によって立ちくらみやめまいなどが生じた場合は、近くのものにつかまってできるだけ転倒を避けるようにしましょう。また、その場でゆっくりしゃがんで休むのも転倒防止になります。
万が一転倒してしまった場合は、ゆっくり立ち上がって休める場所に移動し、横になったりゆったり座って様子を見ましょう。

貧血気味の妊婦さんは、転倒した場合に備えて普段からヒールのない靴を履く、転びやすい道や人ごみは避ける、公共交通機関は空いている時間帯に利用するなどの対策が必要です。

また、お腹の痛みや張りなどがない場合は心配ないことがほとんどですが、何が起こるか分からないのが妊娠です。後々から出血などの症状が出てくることもありますので、かかりつけの産婦人科に電話で相談し、受診の必要があるのか相談しましょう。

おわりに:妊娠初期の貧血では食事やサプリの見直しを!転倒時の対策も忘れずに

妊娠初期の貧血はさまざまな症状を引き起こし、母体にも赤ちゃんにも影響を及ぼす可能性があるためできれば早く解消したいところです。
鉄分の豊富な食べ物やサプリメント、場合によっては処方された鉄剤で貧血を予防・改善していきましょう。
また、立ちくらみのときや万が一転倒してしまったときのために、つかまるものを設置したち、床にものを置いておかないようにしてください。

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