カンジダ症は軟膏で治せる?原因菌と口や皮膚に発症したときの治療法は?

2018/5/1 記事改定日: 2020/8/21
記事改定回数:2回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

カンジダ症とは、皮膚や口、陰部などに常在するカンジダ・アルビカンスと呼ばれるカビの一種が異常増殖することによって発症する病気です。
この記事では、菌の特徴やカンジダ症の治療で使われる抗真菌剤、口や皮膚だけに発症した場合と全身に発症した場合の違いなどについて解説します。

カンジダ・アルビカンスは常在菌?カンジダ症を発症する原因は?

常在菌(じょうざいきん)とは、人間の体にもともと存在している微生物で、さまざまな種類があります。常在菌は健康な体にも存在しており、特に病原性がある訳ではありません。

カンジダ症の原因菌であるカンジダ菌(カンジダ・アルビカンス)もこの常在菌のひとつで、基本的には特に治療で取り除く必要がないものです。

免疫機能が低下している場合

疲労やストレスなどで免疫機能が低下してカンジダ・アルビカンスが異常繁殖すると、皮膚や粘膜にかゆみや痛みを引き起こします。その結果、カンジダ腟炎やカンジダ性指間びらん症、口腔カンジダ症、乳児皮膚カンジダ症といった症状を引き起こします。

血液疾患などで免疫機能がひどく低下した場合

免疫の低下のなかでも、血液疾患などを原因として免疫機能が著しく低下した場合のみ、内臓カンジダ症を発症します。

また、カンジダ・アルビカンスは、病気の治療で抗生物質を服用したときや月経(生理)の前後あるいは長時間、通気性の悪い下着を身につけていたために蒸れていたことなどでも異常繁殖することがあります。

カンジダ・アルビカンスの治療法は?軟膏や錠剤などどんなタイプがある?

カンジダ腟炎をはじめとするカンジダ・アルビカンスが原因の病気を発症した場合、軟膏、腟錠タイプの抗真菌剤、錠剤やカプセルタイプの抗真菌剤を使って治療を行います。

抗真菌剤の軟膏や腟錠での治療

まず、かゆみや痛みがあらわれている部分を清潔に保つとともに、抗真菌剤の軟膏や腟錠(腟に入れる坐薬タイプのもの)を使って治療します。これらの医薬品を使うと、おおよそ1週間前後で治ります。

錠剤やカプセルタイプの抗真菌剤での治療

カンジダ症が皮膚、口、腟にだけ発症した場合、クロトリマゾール®やナイスタチン®といった抗真菌剤を患部に直接塗るか、フルコナゾール®を服用します。また、カンジダ症が食道にできた場合は、錠剤やカプセルタイプの抗真菌剤(フルコナゾール®、ボリコナゾール®など)を服用します。

カンジダ症が全身に広がったときの治療法

もし、カンジダ症が全身に広がってしまった場合、静脈からアニデュラファンギン®、カスポファンギン®、ミカファンギン®を投与するか、フルコナゾール®を静脈から投与もしくは錠剤を服用します。

なお、カンジダ症は糖尿病をはじめとする特定の持病がある人の場合、治療の効果が低くなります。ただ、糖尿病の方の場合、血糖値をうまくコントロールすることで、カンジダ症の症状も改善しやすくなります。

カンジダ・アルビカンスの特徴とカンジダ症の検査方法は?

カンジダ・アルビカンスの形態は、生息条件によって丸い形をした「酵母型」や線状の「仮性菌糸」など、さまざまに変わります。このように、形態が変化する真菌を二形(二相)性真菌といい、性質を二形性(二相性)といいます。

また、カンジダ・アルビカンスは細菌としてはかなり大きいことも特徴のひとつです。

カンジダ症の検査方法や所要時間は?

カンジダ症が疑われる場合は、皮膚や口、腟などに生じた病変や分泌物の一部を採取して、顕微鏡でカンジダ・アルビカンスが存在するか否か調べる検査が行われます。

カンジダ症は特徴的な症状が現れやすいため、「見た目」だけで診断するケースもありますが、確定診断のためにはこのような顕微鏡を用いた詳しく検査が必要です。

検査は、病変部や分泌液などを採取して顕微鏡で観察するのみであるため、院内で検査ができる場合は30分ほどで結果がわかります。しかし、院内で検査ができない場合、他のカビの可能性もあるためさらに詳しい検査が必要な場合は、結果がわかるまでに数日かかるケースもあります。

おわりに:カンジダ・アルビカンスは免疫低下による異常繁殖でカンジダ症を引き起こす

カンジダ・アルビカンスは、健康な体にも生息している常在菌のひとつです。免疫機能が正常に働いていれば一定量に保たれますが、免疫力の低下などが原因で繁殖し、カンジダ症を発症することがあります。
カンジダ症を発症した場合、錠剤やクリームなどで抗真菌剤を服用して治療しますので、異変を感じたら病院を受診しましょう。

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