カンジダ・アルビカンスはどんな真菌?抗真菌剤で治療できる?

2018/5/1

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

カンジダ・アルビカンスとは、カンジダ症の原因となる菌です。この菌はもともと皮膚や口腔内の粘膜などに生息している菌ですが、あるきっかけで繁殖するとカンジダ症を発症します。この記事では、カンジダ・アルビカンスがどのような菌なのかや、カンジダ症の治療で使われる抗真菌剤について解説します。

カンジダ・アルビカンスは常在菌?

常在菌(じょうざいきん)とは、人間の体にもともと存在している微生物で、さまざまな種類があります。常在菌は健康な体にも存在しており、特に病原性がある訳ではありません。

カンジダ症の原因菌であるカンジダ菌(カンジダ・アルビカンス)もこの常在菌のひとつで、基本的には特に治療で取り除く必要がないものです。しかし、免疫機能が低下すると、カンジダ・アルビカンスが繁殖して皮膚や粘膜にかゆみや痛みを引き起こします。その結果、カンジダ腟炎やカンジダ性指間びらん症、口腔カンジダ症、乳児皮膚カンジダ症といった症状を引き起こします。また、血液疾患などで免疫機能がひどく低下した場合のみ、内臓カンジダ症を発症します。

カンジダ・アルビカンスが繁殖するきっかけは、免疫機能が低下したときだけでなく、病気の治療で抗菌薬(抗生物質)を服用したときや月経(生理)の前後、あるいは長時間、通気性の悪い下着を身につけていたために蒸れていたことなどが挙げられます。

カンジダ・アルビカンスは抗真菌剤で治療できる?

カンジダ腟炎をはじめとするカンジダ・アルビカンスが原因の病気を発症した場合、どのように治療するのでしょうか。

まず、かゆみや痛みがあらわれている部分を清潔に保つとともに、抗真菌剤の軟膏や腟錠(腟に入れる坐薬タイプのもの)を使って治療します。これらの医薬品を使うと、おおよそ1週間前後で治ります。

カンジダ症が皮膚、口、腟にだけ発症した場合、クロトリマゾール®やナイスタチン®といった抗真菌剤を患部に直接塗るか、フルコナゾール®を服用します。また、カンジダ症が食道にできた場合は、錠剤やカプセルタイプの抗真菌剤(フルコナゾール®、ボリコナゾール®など)を服用します。

もし、カンジダ症が全身に広がってしまった場合、静脈からアニデュラファンギン®、カスポファンギン®、ミカファンギン®を投与するか、フルコナゾール®を静脈から投与もしくは錠剤を服用します。

なお、カンジダ症は糖尿病をはじめとする特定の持病がある人の場合、治療の効果が低くなります。ただ、糖尿病の方の場合、血糖値をうまくコントロールすることで、カンジダ症の症状も改善しやすくなります。

カンジダ・アルビカンスの形態

カンジダ・アルビカンスの形態は、生息条件によって丸い形をした「酵母型」や線状の「仮性菌糸」など、さまざまに変わります。このように、形態が変化する真菌を二形(二相)性真菌といい、性質を二形性(二相性)といいます。

また、カンジダ・アルビカンスは細菌としてはかなり大きいことも特徴のひとつです。

おわりに:常在菌のカンジダ・アルビカンスは、免疫力低下で繁殖するとカンジダ症を引き起こす

カンジダ・アルビカンスは、健康な体にも生息している常在菌のひとつです。免疫機能が正常に働いていれば一定量に保たれますが、免疫力の低下などが原因でカンジダ症を発症することがあります。カンジダ症を発症した場合、錠剤やクリームなどで抗真菌剤を服用して治療します。

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