記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/4/20
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠初期は赤ちゃんの体がつくられる大切な時期なので、注意が必要なことがある一方で積極的に取り入れたいことや意識しておきたいことも増えてきます。
そこで今回は、妊娠初期にはどのように過ごしたらいいのかをお伝えします。
妊娠初期は家の中だけで過ごしたり、家事をしてはいけないという決まりはありません。むしろ、流産を防ぐために、30分ほどの散歩やウォーキングをして体を動かすことが推奨されています。
ただし、体調が悪かったり腹痛や出血がある場合はできるだけ安静にすることが大切です。少しでも不安なことがあれば病院を受診して、医師の指示に従うようにしましょう。
また、安静にすること以外には下記のような点を意識することが大切です。
◆できるだけ普段と同じ生活を送る(※高いところにあるものを取ったり、急いで走ったりするなど、転倒や転落のリスクがある行動は控えましょう。)
◆体に負担をかけない服装や靴を選ぶ
◆生活習慣を見直す、タバコとアルコールをやめる
◆食生活・生活リズムを整える
(特に鉄分やカルシウム、ビタミンなど、妊娠中に不足しがちな栄養を積極的に摂りましょう)
仕事をしている場合は、まずは妊娠したことを上司に報告し、産休や退職など、今後の意向に合った仕事の仕方ができるよう相談しましょう。
妊娠初期で見た目や体調に大きな変化がないからと、報告を後回しにしてしまうこともあるかもしれませんが、妊娠初期だからこそ無理をしないよう、報告は早めにしておきましょう。
不安な場合は検診時に「母性健康管理指導事項連絡カード」を発行してもらうことで、事業主に医師からの指導を的確に伝えることができるため、上司に報告する前に医師に相談してください。
また、つわりなど体調不良のときに休みをとる可能性があることを伝え、可能な範囲で通勤時間をずらすなど、働きやすい環境を整えてもらいましょう。
「母性健康管理指導事項連絡カード」(以下、「母健連絡カード」と表記)は、仕事を持つ妊婦さんが医師から通勤緩和や休憩などの指導を受けた場合に、その指導内容を事業主に的確に伝える目的で利用するものです。
妊婦さんは勤務時間の短縮や通勤時間の変更などを医師から指示された場合、事業主にこの「母健連絡カード」を提出します。
女性労働者からこの「母健連絡カード」が提出された事業主は、「母健連絡カード」の記載内容に応じた措置を取る必要があります。
二人目や三人目の赤ちゃんを妊娠していると、妊娠初期にも家事や子育てをする必要があると思いますが、初期のうちから無理をせず、上の子どもはご主人や周りの人に任せるなどの工夫をして負担を少しでも減らしましょう。
だっこやおんぶなどの上の子どもとのふれあいも、医師に相談しつつ無理のない範囲で行うようにしましょう。
妊娠初期は赤ちゃんの体が作られる大事な時期ですが、つわりなどの症状があらわれて体調が安定しない妊婦さんも多いです。
心配になって行動を制限しすぎる必要はありませんが、かかりつけ医の指示に従いながら無理の無いように過ごしましょう。