記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/4/11
記事監修医師
前田 裕斗 先生
カンジダ症は、常在菌のひとつであるカンジダ菌が繁殖したために発症する病気です。発症すると、おりものの量や色、質などが変わるといわれていますが、どんなふうに変わるのでしょうか。また、おりものが白ではなく黄緑色だった場合も、カンジダ症なのでしょうか。この記事で解説したいと思います。
カンジダ症を発症すると、おりものが白っぽいカッテージチーズやおかゆ状になります。また、人によっては黄緑色になると表現する人もいますが、とにかく粕状のようないつもと違う帯下が出ます。
カンジダ症を発症した場合、おりものの質は変わりますが、においはほとんどしません。もし、おりものがひどくにおったり、生臭く感じたりするときは、別の病気の可能性があるでしょう。
ちなみに、正常なおりものでも少し甘酸っぱい臭いがします。おりものの色は、半透明から白く濁った色をしていますが、排卵日前になると、卵の白身のように、少し粘り気のあるおりものが出てきます。また、排卵時に少量の出血がおりものに混じって、茶褐色やピンク色のおりものが出てくることもありますが、1、2日で元に戻った場合は病気ではありません。
おりものの量がいままでより多くなっていることに加え、外陰部のかゆみが痛みやしみるような感じがしている場合、カンジダ症を発症している可能性があります。
おりものの周期は、排卵期や月経(生理)前に一時的に増えますが、特にこうした時期でもないのにおりものの量が急に増え、しばらく経っても減らない場合、カンジダ症などの病気を発症している可能性があります。ただ、腟内に異物が入ったときも、おりものの量が増えますので、必ずしもカンジダ症とはいいきれません。
おりものの量や色、質の変化に気づいたら、自己判断をせずに婦人科で診てもらいましょう。
診断の結果、カンジダ症を発症していた場合、抗真菌剤(腟座薬とクリーム)で治療します。腟洗浄を行う病院もありますが、効果については一定していません。腟座薬の投与期間や頻度は種類によってさまざまです。毎日投与が必要なこともあれば、週1回で足りることもあります。
カンジダ症を発症すると、おりものの色が白っぽく、カッテージチーズのようなボロボロしたものや、ヨーグルトのようにドロッとしたものに変わります。もし、このような状態がみられたら、婦人科でカンジダ症の検査を受けましょう。また、おりものの色がひどくにおうときも別の病気の可能性がありますので、早めに病院へ行ってください。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。