糖尿病で皮膚トラブルが出る原因は?対処法は?

2018/5/1

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

糖尿病になると、皮膚のかゆみや乾燥などの皮膚トラブルが起こりやすくなるのですが、その原因とは何なのでしょうか?メカニズムや皮膚トラブルの対処法について解説します。

糖尿病になると、皮膚にどんな症状が出る?

糖尿病の合併症の1つとして、かゆみやかさつきなどの皮膚トラブルがあります。他にも皮膚炎にかかりやすいことが特徴で、皮膚感染症や足病変にかかりやすい傾向にあります。皮膚感染症では白癬やカンジダ症などが全身に起こりやすく、とくに唇や陰部などの皮膚の薄い部分に出やすい傾向にあります。また、足病変では足にできた水虫が潰瘍へと進行したり、足にできた傷に気づかずに悪化し、その結果として壊疽になったりすることもあります。

皮膚トラブルが起こる原因は?

なぜ糖尿病になると皮膚トラブルが起こるのでしょうか。

糖尿病となり血糖値が高くなると多尿、頻尿とそれに伴う脱水の原因となるのですが、これによって皮膚が乾燥するため、かさつきやかゆみが出現しやすくなるのです。

また、血液内の糖の量が増えたり、糖尿病によって動脈が傷ついて動脈硬化になることで血流が低下し、それによって身体の防御機能が衰え、細菌に感染しやすくなります。さらに、糖尿病の合併症である神経障害となることによって痛みを感じにくくなり、傷が重症化しやすくなります。これらが糖尿病によって皮膚トラブルが起こる原因となるのです。

特に糖尿病患者では、下肢の血流障害が糖尿病のない人に比べておよそ5倍起こりやすいと言われています。

皮膚トラブルを予防するにはどうすればいい?

糖尿病による皮膚のトラブルはどのように予防していけば良いのでしょうか。

最も行う必要があるのは皮膚トラブルのもととなる血糖値をコントロールすることです。血糖値をコントロールすることで糖尿病を悪化させず、皮膚トラブルのリスクを減らすことができます。

また、皮膚のケアをしっかりと行うことも大切です。毎日ぬるめのお風呂に入り、低刺激の石鹸を使って優しく体を洗うようにしましょう。入浴後は5分以内に保湿剤を塗布することもポイントです。自分の体質に合った保湿剤を選択して塗るようにしましょう。

が伸びていると自分の爪で皮膚を傷つけてしまうこともあります。自分の爪も短めに切りそろえるように意識しましょう。

他にも長時間寒い場所で過ごしたり、炎天下の紫外線が降り注ぐ場所に長時間いないようにするのもポイントです。さらに、自分の皮膚をこまめに観察して異常が見られたらすぐに医療機関を受診するようにしましょう。

おわりに:日常生活で皮膚トラブルを防ごう

糖尿病による皮膚トラブルを防ぐには、血糖コントロールを行い、スキンケアなどを日常生活で気を付けていくことが重要です。皮膚トラブルを起こしてしまうと治癒に時間がかかるだけでなく、悪化してしまえばその部位の皮膚あるいは手や足などを切断しならなければいけないこともあります。そのため、意識してケアしていくようにしましょう。

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