記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/7/6
記事監修医師
前田 裕斗 先生
外陰部のかゆみや痛みが続いてカンジダ症の薬で治そうとしているのに、いっこうにかゆみが治まらないことはありませんか?実は、アレルギーが原因で外陰部にかゆみが出ることもあるんです。
外陰部にかゆみや痛みが起こると、カンジダ症かもしれない・・・と思うかもしれません。カンジダ症の再発だった場合、病院に行かなくても市販薬を入手できるため、これを使えばかゆみや痛みが落ち着くでしょう。
しかし、市販薬を服用してもかゆみが止まらない場合、カンジダ症ではなく、アレルギーもしくは原因不明の外陰掻痒症(がいいんそうようしょう)である可能性があります。
外陰掻痒症とは、カンジダ症と同じように陰部のあたりに強いかゆみが出る症状です。かゆみの症状は、免疫力が落ちたときや、体調不良のときに症状が出やすいや体調不良の時に症状が出やすいこともカンジダ症と似ているため、勘違いしやすいといわれています。
カンジダ症を発症すると、以下のような症状がみられます。
・外陰部や腟にかゆみが出る
・カッテージチーズやヨーグルトのようなおりものが増える
・性器が炎症する(灼熱感、痛みなど)
・性交痛がある
・排尿障害がみられる
・亀頭にかゆみやただれが出る
・亀頭が赤くなったり、白いカスが出たりする
・亀頭に小さな水泡ができる
・まれに尿道炎を起こすこともある
ただし、アレルギーなどが原因の外陰掻痒症(がいいんそうようしょう)でも、性器に強いかゆみが出ることがあります。したがって、自分の思い込みで「このかゆみは絶対にカンジダに違いない」と判断せず、病院で医師の診察を受けることが大切です。
外陰部のかゆみの原因がカンジダ症だった場合、抗真菌薬で治療します。初めてカンジダ症を発症した場合は病院で治療しなければいけませんが、再発の場合は市販の腟錠や腟座薬、クリームを使って治すことができます。
一方、外陰部のかゆみの原因がアレルギーだった場合、アレルギー症状を抑えるセレスタミン®が処方されます。セレスタミン®は、抗ヒスタミン剤と副腎皮質ホルモン(ステロイド)の2成分が配合された薬で、アレルギー症状を抑えたいときに使われる薬です。
外陰部に強いかゆみや痛みが出てくると、カンジダ症を発症したのでは・・・と考えてしまいがちですが、かゆみの原因がアレルギーであることもあります。もし、薬を服用してもいっこうに症状が改善しないときは、アレルギーの可能性も考えて病院で診てもらうことをおすすめします。