カンジダ症は市販薬で治せるって本当?治らないことはある?

2018/7/13

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

多くの女性を悩ませる腟カンジダ。
最近では腟カンジダの治療薬をうたった市販薬が販売されていますが、市販薬で治療することは可能なのでしょうか?
そこで今回は、市販の腟カンジダの治療薬の効果や使用上の注意点をご紹介します。

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カンジダ症の市販薬、おすすめは?

腟カンジダの治療薬は主に腟錠と軟膏(塗り薬)の2種類です。
腟錠は1日1錠を腟内に入れて数日間使い続けるタイプが多く、挿入後腟内で薬が溶けて広がり、炎症を元から鎮めます。
軟膏タイプの市販薬は1日に2~3回患部に塗り、外陰部のかゆみ・発疹・ただれなどを抑えてくれます。

市販薬選びのポイント

カンジダ症の市販薬も基本的には腟錠タイプと軟膏に分かれます。
腟剤タイプの薬は処方薬の成分と同じものもあり、カンジダ菌を殺す効果があります。
また、どれも第一類医薬品に指定されているため、コンビニなどでの購入はできません。

一方、軟膏はカンジダ菌による症状をおさえる効果があります。
腟カンジダのかゆみがひどくて腟錠と併用したい場合などに、医師や薬剤師に相談してから使うようにしてください。

市販薬に配合されているカンジダ菌を殺菌する代表的な成分は「イソコナゾール」「オキシコナゾール」「クロトリマゾール」「ナイスタチン」「ミコナゾール」などです。
腟剤でも軟膏でも、市販薬を購入する場合は根本治療のために〈カンジダ菌の殺菌成分〉が含まれている薬を選択しましょう。

市販薬の「エンペシド®L」と処方薬エンペシド腟錠の違いは?

市販の腟錠「エンペシド®L」と処方薬のエンペシド腟錠には同じ成分が配合されていますが、使用法が異なります。

まず、市販の腟錠「エンペシド®L」は再発した腟カンジダの治療には有効ですが、初めて腟カンジダを発症した場合や免疫力の低下によって感染症になりやすい60歳以上の場合は他の病気の可能性や他の菌が原因の複合感染が起こるリスクが高いことから使用が推奨されません。
一方で、医療用エンペシド腟錠は年齢などの制限無く使用することができます。

また、使用法はどちらも1日1回1錠を腟深部に挿入する形式で6日間以上(必要に応じ使用期間を延長する)続けますが、市販の腟錠「エンペシド®L」を使っていて3日間使用しても症状の改善がみられない場合、または6日間使用しても治らない場合は医師の診察を受けるようにしましょう。

カンジダ症の市販薬で治るの?

本当にカンジダ症であれば市販薬で症状を改善させることができます。
ただし、自覚症状だけでカンジダ症かどうかを判断するのは難しく、先述したようにカンジダ症ではないのに自己判断で市販薬を使い続けて、発症していた他の病気が悪化してしまうといった危険性があります。
発症が初めてでカンジダ症かどうかわからない場合や、免疫力が低下している人、60歳以上の方はいきなり市販薬を用いるのではなく医療機関で診察を受けるのが妥当でしょう。

市販薬だと治らないときは?

カンジダ症かどうかの判断を誤ると市販薬を使っても治らないことがあります。
また、治療を中途半端にやめてしてしまうとカンジダ症が悪化・再発する可能性が高くなるので、規定の治療期間は必ず守るようにしましょう。

おわりに:市販薬を使うのは再発性カンジダの場合のみ!

カンジダ症は市販薬で治療できますが、初発の場合は本当にカンジダによる症状かどうかの見極めが必要となります。使用するのはカンジダ症が再発したときのみにするのがよいでしょう。また、市販薬を続けても症状がよくならない場合は必ず医療機関を受診してください。
初めてカンジダ症になった場合や免疫力が低下している場合には市販薬を使う前に、まずは医療機関で診察を受けるようにしましょう。

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