記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/23
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
糖尿病は1型や2型などに分類され、それぞれ原因は異なるとされています。こちらの記事では、糖尿病の原因や、普段の生活に取り入れやすい2型糖尿病への対策について詳しく解説します。
2型糖尿病はインスリン非依存型とも呼ばれ、特に40代以上の成人に多く見られるものです。インスリンが出にくくなるものと、インスリンが効きにくくなるものに分けられます糖尿病の多くを占めているのはこの2型糖尿病であり、糖尿病といえば2型を指すのが一般的です。
原因には遺伝的要素が関わっていることがわかっており、両親が糖尿病である場合にその子供が糖尿病を発症する確率は50%にのぼります。ただし、近年日本では2型糖尿病の患者は増加傾向にあり、遺伝だけでなく以下のような生活習慣の乱れによるものも多いと指摘されています。
遺伝的要素にこうした生活習慣の乱れが加わることにより、細胞からのインスリンの分泌量が低下したり(インスリン分泌能低下)、肝臓、筋肉、脂肪組織などにおいてインスリンが効果を発揮しにくくなったり(インスリン抵抗性)します。
1型糖尿病は定期的なインスリンの補給(インスリン注射)を余儀なくされるもので、インスリン依存型と呼ばれています。高齢者が発症するケースもありますが、小児を中心とした比較的若い人に多く認められます。
1型糖尿病では、インスリンを作る働きを持つβ細胞が何らかの原因で破壊されることにより、膵臓からインスリンがほとんど分泌されません。原因には自己免疫やウイルス感染が関係しているのではないかと考えられており、特に免疫反応が正常に機能しなくなるために、自身のβ細胞を攻撃してしまうことで起こると言われています。ただし、原因はまだ解明されていない部分が多く、未だに明確な答えは出ていないのが現状です。
1型糖尿病は2型糖尿病とは異なり、過食や運動不足といった生活習慣の乱れによって発症するものではなく、対策をしても発症を防ぐことは難しいとされています。
糖尿病対策を意識した食事において、特定の食べ物を決して食べてはいけないという決まりがあるわけではありません。ジュースやお菓子といった脂質や糖質が多過ぎるものや、塩分が多過ぎるもの、お酒などはなるべく控えた方が良いとされていますが、大切なのは毎日栄養バランスの良い食事を摂ることです。
糖尿病対策のためには、ご飯・パン・麺類などの主食、魚類・大豆製品・卵・肉類などの良質なタンパク質を取り入れた主菜、野菜・きのこ・こんにゃく・海藻などを豊富に含む副菜をまんべんなく食べるようにしましょう。特にゴボウやキャベツなどの野菜、玄米や発芽玄米、全粒粉パンといった、糖質の吸収をより穏やかにする食物繊維を含む食材を取り入れると良いと言われています。
以下は食事を摂る際のポイントです。
あまり噛まずに早食いすることは食べ過ぎにつながります。一口ひと口しっかりと噛んで食べるペースを抑えることで、食べ過ぎを予防することが可能です。
血糖値の安定には、毎日決まった時間に食事を摂ると良いとされています。
満腹になるまで食べるとカロリーを摂取し過ぎる恐れがあるため、腹8分目を目安にしましょう。
血糖値を急激に上昇させないためには、野菜や海藻を先に食べると良いとされています。食物繊維は胃の中で膨らむため、食べ過ぎの防止にもつながるでしょう。
太りやすくなるため、間食は勧められていません。どうしても間食をしたい場合は、カロリーや量に気を付ける必要があります。
ウォーキングやスイミング、サイクリングなどの有酸素運動や、筋力トレーニングを継続しているとインスリンの効果が得られやすくなるため、血糖値が下がりやすくなります。ただし、普段からあまり運動をしない人が突然激しい運動を始めると、かえって体調を悪化させてしまうことがあるため、注意が必要です。
糖尿病対策として運動を始めるのであれば、最初は軽めの運動から行い、体が慣れてきたら徐々に強度を上げていくようにしましょう。なかなか運動の時間が取れない人は、エスカレーターではなく階段を利用する、最寄り駅のひと駅前で電車を降りて歩くなど、普段の生活に運動を取り入れることが推奨されています。
なお、持病がある、糖尿病に近い状態になっているという方は、運動を始める前に主治医を相談すると良いでしょう。
1型糖尿病と異なり、2型糖尿病の原因には生活習慣の乱れが大きく関わっています。そのため、日頃から栄養バランスの良い食事を摂ったり、運動をしたりと、生活習慣に気を付けることで、ある程度予防することが可能だといえるでしょう。