記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/6/22
記事監修医師
前田 裕斗 先生
カンジダ腟炎の治療薬として、塗り薬と錠剤があります。錠剤タイプのものは、腟の中に自分で入れるタイプのため、慣れないうちは入れにくいかもしれません。また、普段飲むことが多い風邪薬や胃薬とは違って、錠剤が外に出ていることもあります。一般的な薬とは違う腟炎の錠剤について、この記事で解説したいと思います。
カンジダ腟炎を発症したときに処方される錠剤は、カンジダ菌という真菌の細胞膜合成などを阻害することで効果を発揮するものです。代表的な処方薬として、以下のようなものがあります。
カンジダ腟炎を治療する錠剤は、市販薬(薬剤師がいる薬局で購入できます)でも入手することができます。ただし、市販薬はカンジダ腟炎が再発した方だけが購入できるものです。初めて発症した人は、市販薬ではなく、病院で処方される薬で治療してください。
市販薬を選ぶときは、カンジダ菌を殺菌する成分が配合されているかどうかを確認してから購入しましょう。カンジダ菌の殺菌成分として、イソコナゾール、オキシコナゾール、クロトリマゾール、ナイスタチンなどがあります。
ただし、市販薬を購入できるのは、すでにカンジダ腟炎を発症したことがある人だけです。はじめて発症した人は市販薬を購入できませんので、ご注意ください。
以下に、腟炎を治すために使う錠剤の正しい使い方をご紹介します。
錠剤は手の指に湿り気があるときや、体がリラックスしているときに入れやすいので、入浴後や寝る前に入れるようにしましょう。
錠剤を入れる前に、手を洗って清潔にしましょう。このとき、錠剤をつかむ部分(人差し指と中指の指先)だけ水分をふきとり、そのほかの部分は濡らしたままにしておきます。そうすると、錠剤を奥まで入れやすくなります。もし、水分だけでは入れにくいようでしたら、潤滑ゼリーを使うのがおすすめです。
錠剤はリラックスした状態で入れたほうが痛みもなく、きちんと挿入できます。イスに浅く座ったり、布団やベッドで横になってみたりしながら、自分にとって入れやすい体勢を見つけましょう。
錠剤を入れるとき、指は真上に動かすのではなく、斜め上のほうに向かって動かしましょう。そうすれば、しっかり奥まで錠剤を入れることができます。
おりものの症状が落ち着いても、かゆみがずっと続いていて我慢できない場合、塗り薬を使っても構いません。このような場合、カンジダ菌がまだ腟内や外陰部に残っている可能性があるので、塗り薬だけでなく、錠剤も一緒に使うようにしましょう。
ただし、かゆいからといってカンジダ腟炎の治療薬ではない塗り薬(ステロイド剤など)を使ってはいけません。もし使うとカンジダ腟炎を悪化させたり、症状の改善を遅らせたりする可能性があるからです。
カンジダ腟炎の治療で使う錠剤は、腟の中に入れるタイプのものです。最初は思うように入れられなくて時間がかかったり、痛くなったりするかもしれませんが、コツをつかむと少しずつ入れやすくなると思います。この記事で紹介したポイントも参考にしてみてください。