記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/4/24 記事改定日: 2019/11/11
記事改定回数:1回
記事監修医師
前田 裕斗 先生
カンジダ腟炎も、膀胱炎も、女性がかかりやすい病気といわれています。これらの病気の原因や症状は異なりますが、同時に発症してしまうこともあります。
この記事では、カンジダ腟炎と膀胱炎の症状や原因についての解説とともに、どんなときに同時に発症してしまうのかにを解説します。
カンジダ腟炎は、真菌のひとつであるカンジダ菌の異常繁殖が原因で発症する病気です。カンジダ菌はもともと人間の体内や皮膚に存在する常在菌ですが、免疫力の低下などが原因でバランスが崩れるとカンジダ菌が異常増殖を起こして炎症を引き起こします。
一方、膀胱炎は細菌が尿道から膀胱に入ってしまったために発症する病気です。
女性は尿道が短く、腟や肛門が近いため細菌が膀胱に入りやすいことや、お手洗いに行くのを我慢しがちなことが、発症に関係していると言われています。
このように、カンジダ腟炎と膀胱炎はまったく別の病気ですが、疲れや睡眠不足などが原因で体力や免疫力が低下している場合、カンジダ腟炎と膀胱炎を一緒に発症することがあります。
カンジダ腟炎と膀胱炎のの症状には、以下のような違いがあります。
膀胱炎治療のために服用した抗生物質が、カンジダ腟炎の原因になることがあります。抗生物質によって、腟内の善玉菌も死滅してしまった結果、腟の自浄作用が働かなくなってカンジダ菌が増えてしまうと、カンジダ症を発症してしまうのです。
カンジダ腟炎と膀胱炎を併発した場合、一般的には膀胱炎を治療してからカンジダ症の治療を行います。
膀胱炎の治療は、基本的には泌尿科、もしくは内科で診てもらえます。もし、男性がいるのは恥ずかしいと思うようでしたら、婦人科でも大丈夫です。
膀胱炎が治ってカンジダ症の治療に入るときは、婦人科や産婦人科、レディースクリニックなどに行くと診てもらえます。
カンジダ腟炎や膀胱炎は上で述べたようにしばしば併発することがあります。
その主な原因は、膀胱炎の治療に抗生物質を用いた際に、腟の自浄作用を担う常在菌まで退治されてしまい、その結果としてカンジダが異常増殖してしまうことです。
抗生物質の服用中はカンジダ腟炎を発症しやすい状態のため、外陰部はできるだけ清潔に保ち、通気性の良い下着を選ぶようにしましょう。
また、疲れやストレスが発症の引き金となることもありますので、十分な休息と睡眠をとるよう心がけることも大切です。
カンジダ症と膀胱炎はまったく異なる病気ですが、膀胱炎の治療で服用した抗生物質の影響で、もしくは睡眠不足や疲れなどが原因で体力や免疫力が低下した場合に同時に発症することがあります。
もし、両方の病気を同時に発症してしまったら、先に膀胱炎を治療してからカンジダ症の治療にうつることになるでしょう。
※抗菌薬のうち、細菌や真菌などの生物から作られるものを「抗生物質」といいます。 抗菌薬には純粋に化学的に作られるものも含まれていますが、一般的には抗菌薬と抗生物質はほぼ同義として使用されることが多いため、この記事では抗生物質と表記を統一しています。