糖尿病だとEDになる!?原因と治療法を解説

2018/4/26

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

「糖尿病患者の男性は、ED(勃起障害)を発症する割合が糖尿病でない男性と比べ2〜3倍高い」という海外のデータがあります。必ずしも全ての患者が発症するわけではありませんが、なぜ糖尿病だとEDになるのでしょうか?その原因と治療法を解説していきます。

糖尿病でEDになる原因は?

なぜ糖尿病だとEDになりやすいのかというと、それは糖尿病による血管障害と神経障害が原因です。

そもそも勃起のメカニズムには血流と神経の作用が大きく関連しているのですが、糖尿病によって高血糖の状態が続くと、細小血管が傷つくことで陰茎への血流が悪化します。すると神経内部が低酸素状態に陥ることから、陰茎海綿体の神経が障害され、脳への伝達が悪くなることで陰茎の知覚が鈍くなり、EDを引き起こすようになるのです。

糖尿病によるEDは治る?治療法は?

糖尿病によるEDのそもそもの原因は、血糖コントロールがうまくできていない点にあります。つまり、食生活を改善するなど血糖コントロールをきちんと行うことで、陰茎への血流・神経機能が改善すればEDは治る可能性はあります。

糖尿病によるEDの治療法としては、まず食事療法・運動療法が重要です。栄養バランスのとれた食事や運動療法など、生活習慣の改善で糖尿病を治療することこそが、ED治療にもつながります。血糖値や血圧、コレステロール値をコントロールし、目標数値に近づけましょう。

また、生活習慣の改善以外に治療薬によるED治療が行われることもあります。これについては次の項で解説します。

糖尿病によるEDの治療薬にはどんなものがある?

糖尿病によるEDの治療薬の具体的な種類としては、以下のものがあります。

バイアグラ

バイアグラ(PDE5阻害薬)はEDの第一選択薬です。バイアグラに含まれるPDE5とはcGMP(陰茎深動脈の平滑筋を弛緩させ、血管口径を広げる)を分解する酵素で、このPDE5の作用を阻害することで深動脈の平滑筋が弛緩し、勃起が起こるようになります。

しかし、バイアグラはcGMPの分解を抑制すると同時に、全身の動脈の平滑筋も弛緩させてしまいます。すると血流量が増え、糖尿病患者の場合は脆くなりがちな血管壁で動脈硬化が促進され、心臓血管障害を促す恐れがあるのです。このため、糖尿病患者のED治療にバイアグラを使うことは避けた方が良いとする医療機関も少なくありません。

レビトラ®

糖尿病によるEDに特に効果が高いとされる薬がレビトラ®です。主成分のバルデナフィルは勃起を促進する効果を持つだけでなく、水に溶けやすい性質を持っているので、その他のED治療薬に比べて即効性に優れているとされます。また、副作用も少なく、食事やアルコールの影響も受けにくいところが大きなメリットです。

シアリス®

ED治療薬の一種で、効果の持続期間がバイアグラやレビトラよりも長いという特徴があります(10mgの場合は20〜24時間、20mgの場合は30〜36時間)。このため、服用のタイミングの心配や時間的に焦る必要が減ることがメリットです。また、食事の影響も受けにくいとされています。

ICI治療(自己注射)

陰茎海綿体にプロスタグランジンなどの薬剤を直接注射することでEDの症状を改善させる治療法です。バイアグラとは異なり、血管の平滑筋を弛緩させる薬を注射することはないので、循環器系に障害があったとしても安全にEDを改善することができます。

おわりに:糖尿病の治療を進めることが、ED改善への第一歩

糖尿病によるEDは、高血糖状態による血管障害や神経障害が原因で起こります。EDを治療するためには、まず根本的な原因である糖尿病の治療をすることが重要なので、日々の生活習慣を改め、血糖コントロールを徹底しましょう。また、治療薬によるアプローチも有効なので、糖尿病患者でEDにお悩みの方は、まずかかりつけ医にご相談ください。

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