水疱瘡(みずぼうそう)ウイルスによる帯状疱疹、うつさないためには?

2018/5/9

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

水疱瘡のウイルスが再活性化したときに起こる帯状疱疹は、周囲にうつることはあるのでしょうか。また、うつさないためにはどうすればいいのでしょうか。

帯状疱疹ってどんな病気?

帯状疱疹は、ピリピリと何かが刺すような痛みと、赤い斑点(はんてん)、小さな水ぶくれが代表的な症状です。これらの症状は、身体の左右どちらかで、神経に沿うように帯状になってあらわれ、放置していれば徐々に悪化していきます。胸から背中での発症が多いといわれますが、顔面や、首から腕にかけてや下肢全体と、身体のどこでもあらわれる可能性があります。また、あわせて頭痛や発熱を伴うこともあります。

帯状疱疹の原因は幼少時に感染することの多い「水疱瘡(みずぼうそう)」の原因ウイルスと同じです。このウイルスはヘルペスウイルスというグループのひとつで、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスといいます。

水疱瘡を発症すると、水疱瘡の症状が改善してもウイルスは体内に残っています。最初の感染では、身体の中にウイルスを見張っている強い抗体ができるため、ウイルスは何十年も静かに過ごしていますが、加齢や疲れ、ストレスなど何かのきっかけで見張りがきかなくなるとウイルスが暴れだし、皮膚や神経で炎症を起こし帯状疱疹を引き起こします。水疱瘡にかかったことのある人なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があるのです。

一般的には、50〜70歳代と中高年にみられる病気ですが、ストレスや疲労がきっかけとなって、若い人に発症することも決して珍しくはありません。

帯状疱疹が子供や大人にうつる可能性は?

帯状疱疹は幼少時に水疱瘡にかかっており体内にウイルスを持っている人にはうつりません。また、健康な大人に感染するということはほとんどありません。しかし、これまで予防接種を打ったことがなく水疱瘡にもなったことがない人は、帯状疱疹の患部で活発になっていたウイルスが身体に入り込むことで水疱瘡を発症する可能性があります。

水疱瘡をうつさないためにはどうすればいい?

水痘・帯状疱疹ウイルスは、初めて感染する人においては、水疱瘡として発症します。過去に水疱瘡になっている人は特に感染のリスクはありませんが、まだ感染しておらず、予防接種も打っていないような小さな子供との接触はできるだけ避けるようにしましょう。

帯状疱疹が広がり、全身に症状があるときにはウイルスが増殖していると考えられます。軟膏をぬるときなど帯状疱疹の患部を触った後は必ず手洗いをしましょう。また、症状のある部分をガーゼで覆っておくことも感染予防になります。

さらに、帯状疱疹が疑われたら先延ばしにせず早期に受診をしましょう。症状が軽いうちに治療を開始し、十分な睡眠と栄養をとって早く回復をすることも、感染の予防に繋がります。

帯状疱疹はどうやって治す?

帯状疱疹の治療は、基本的にはヘルペスウイルスに対する抗ウイルス薬(抗ヘルペスウイルス薬)を用います。ウイルスの増殖を抑えることで痛みや赤み、水ぶくれといった皮膚症状を緩和します。また、回復までの期間を短縮することにもつながります。抗ウイルス薬は、症状の改善だけではなく合併症や後遺症の予防も期待されています。また、痛みが強いときには、解熱鎮痛薬や神経ブロック注射が用いられることもあります。

帯状疱疹は皮膚症状が改善すれば通常は痛みも消えるものですが、皮膚症状がなくなっても不快な痛みが持続してしまうことがあります。この痛みは、ウイルスが神経の損傷を引き起こしたことによるもので帯状疱疹後神経痛といいます。帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹の治療を受けた病院で継続して治療を受けることも可能ですが、痛みの治療を専門に行っているペインクリニックで専門的な治療を受けることもできます。

おわりに:帯状疱疹は、予防接種未接種の子供などにはうつるリスクが。感染拡大を予防し、早めに病院へ

帯状疱疹は、水疱瘡(みずぼうそう)と同じウイルスが原因です。帯状疱疹としての感染のリスクはありませんが、乳幼児には水疱瘡としてうつしてしまうこともあります。また皮膚症状が改善しても、神経の不快な痛みが後遺症として残存することもあります。症状が軽いうちに適切な治療を受けて早い回復を目指しましょう。

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