子宮内膜症治療に効果的な漢方薬とは? 妊娠の可能性が高くなる?!

2018/6/19

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

子宮内膜症の治療薬には、低用量ピルや黄体ホルモン製剤などがありますが、漢方薬も効果があると言われています。この記事では、子宮内膜症の治療に使われる漢方薬にはどのようなものがあるかや、漢方薬の治療が向いているのはどんな方かを解説します。

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子宮内膜症治療に効果的な漢方薬

子宮内膜症の治療に使われる漢方薬として、以下の4種類あります。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰芍薬散は、女性によく処方される漢方薬です。体力があまりない、顔色が悪い、冷えが強い場合に処方されます。血の巡りを改善するとともに、むくみの改善やめまい、月経痛、頭痛、肩こりといった症状を緩和する効果があります。

芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)

芎帰膠艾湯は、体力があまりなく、冷えや貧血を感じやすい人に処方される漢方薬です。血の巡りを改善するとともに、月経痛の緩和や下腹部の冷えを改善したり、不正出血を止める働きがあります。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸は、比較的体力があり、のぼせやすい方に処方されることが多い漢方薬です。血の巡りを改善するだけでなく、のぼせや下半身の冷えを改善したり、痛みを和らげたりする効果があります。

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

竜胆瀉肝湯は、比較的体力があり、冷えがない方に処方される漢方薬です。血の巡りを改善するとともに、気分を穏やかにしたり、排尿痛を緩和したりする効果があります。

子宮内膜症は漢方薬で治療できるの?

子宮内膜症を漢方薬で治療する目的は、根本的に体質を改善することです。漢方薬の服用を続けることで症状が改善することもありますが、症状が重い場合は漢方薬だけでは改善が難しい可能性があります。服用を続けても症状が改善しないときは、早めに医師の診察を受けて治療してください。

妊娠を望むなら漢方で治療したほうが良い?

妊娠を検討している方に、漢方薬での治療はおすすめです。そのほか、比較的症状が軽い方や、閉経に近い年齢に差し掛かっている方、そして手術後の再発を防ぎたい方にもおすすめできると言えます。

おわりに:妊娠を検討しているなら漢方薬による治療の検討を

子宮内膜症の方で妊娠を考えている場合、漢方薬による治療がおすすめです。また、比較的症状が軽い方や、手術後の再発を防ぎたい方にも、漢方薬での治療が向いていると言えます。ただし症状が重い場合、漢方薬では改善しない可能性があります。しばらく服用を続けても症状が改善しない場合は、医師の診察を受けてください。

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