記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/5/25
記事監修医師
前田 裕斗 先生
大人と同じように、赤ちゃんもミルクや食事の量や体調などが原因で便秘になることがあります。大人の便秘はマッサージで改善することがありますが、赤ちゃんのための便秘マッサージはあるのでしょうか。
おすすめのマッサージ法を紹介するので、参考にしてください。
食べる量や飲む量が不十分だったり、おなかにガスが溜まっていたりすると、赤ちゃんでも便秘になることがあります。
特に、赤ちゃんに以下のような症状が見られた場合は、便秘を疑ってあげましょう。
前述したような便秘を疑う症状が赤ちゃんに見られたら、便秘解消に効くマッサージを試してみてください。
以下に、赤ちゃんの便秘に効果のある代表的なマッサージを4つご紹介しますので、参考にしてくださいね。
赤ちゃんを仰向け、または横抱きにして、大人の掌をおへその下あたりに置き、「の」の字を書くように時計回りにおなかをさすってあげます。
1回に2~3週程度、これを1日に3セットを目安に行ってください。
強く刺激したい場合は、掌ではなく人差し指・中指・薬指で行うと良いでしょう。
赤ちゃんを仰向けに寝かせて、両足の足首からふくらはぎのところをやさしく握り、右足と左足を交互に曲げ伸ばしし、自転車をこぐような動きをさせてあげます。
こうすることで、足の動きから腸が刺激されて、溜まっているガスや便が出やすくなります。
おむつ替えのときや、赤ちゃんが便を出そうとしているときに、肛門付近を押してあげることで、便を出すのを助けてあげるマッサージです。
お座りの状態で行うのが効果的ですが、おむつ替えで直に肛門を押すときは、便が飛んでくることもあるので注意が必要です。
仰向けに寝かせた赤ちゃんの両足を持ち上げ、太ももがおなかに付くような体勢を取らせます。
この状態で、ベビーオイルやワセリンを塗っておいた綿棒を、先端の綿が見えなくなるまで赤ちゃんの肛門に差し込み、肛門のふちをなぞるようにくるくる動かします。
このように綿棒で浣腸することで、便を出してあげることができます。
即効性がありますが、出てこないときは様子を見ながら時間を空けるなどして、再挑戦してあげてください。
赤ちゃんへの便秘解消マッサージは、お風呂上りや授乳前のおむつ替え、目覚めがよかったときなど、赤ちゃんの機嫌が良いときに行うのがおすすめです。
ただし、満腹のときに行うと嘔吐の原因になることがありますので、食後すぐのタイミングだけは避けるようにしてくださいね。
子どもの代表的な便秘の原因として考えられるのは、腸から便を押し出すぜんどう運動が弱いことと、水分不足によって便が硬くなっているという2点です。
以下に、マッサージを含めて、子どもが便秘を起こしたときに効果的な対処法を3つご紹介します。
お風呂上りなど、特に血行が良くなっているときにマッサージしてあげましょう。
まずは簡単な「の」の字マッサージから始めて、様子を見てください。
便秘の解消には、食物繊維と水分の積極的な摂取が効果的です。
以下のような食物と水分を多くとれるような食事を摂らせると、便秘が解消される可能性が高くなります。
りんご、バナナ、キウイ、スイカ、メロン、プルーン、さつまいも、にんじん、ホウレン草、ひじき・わかめなどの海藻類 など
赤ちゃんと同様、子どもの便秘解消にも綿棒浣腸は有効です。
ベビーオイルなどを付けた綿棒を肛門から2cmくらい中まで入れ、くるくると回して肛門付近の神経を刺激すると、便意が誘発されます。
便秘に腹痛を伴っているようであれば、「ねじれ腸」や「落下腸」が原因かもしれません。
「ねじれ腸」は、おなかの中で横行結腸・下行結腸・S字結腸の一部がねじれているために便が滞留し、これが原因で腹痛を伴う便秘を起こしている状態といわれています。
子どもの頃に発症しやすく、腹痛や便秘解消後の下痢や軟便を伴い、運動量が減るのと比例して便秘になりやすくなるのが特徴です。
一方「落下腸」は、大腸上部が本来よりも低い骨盤近くまでの位置に落ち込んでしまうもので、腸が複雑に折れ曲がるために便が滞留し、便秘を起こすものです。
症状はねじれ腸と似ており、ねじれ腸の症状に加え、立っているときに下腹部が出ているのが落下腸の特徴です。
「ねじれ腸」と「落下腸」、それぞれが原因の便秘を改善するために効果的なマッサージ方法を以下にご紹介しますので、参考にしてくださいね。
ねじれ腸による便秘の解消には、横行結腸・下行結腸・S字結腸の3か所をマッサージして、便の滞留を解消する必要があります。
以下のマッサージを1セットとし、おなかを静かに揺らすイメージで、1日に朝と夜の2回行ってください。
両足を肩幅程度に広げて立ち、両腕を肩の高さまで上げて左右に広げ、後ろを振り返るようなイメージで、約1分かけて上半身を左右交互にゆっくりと捻ります。
腰の下に5~10㎝程度のクッションを敷き、仰向けに寝て両膝を立てます。
肋骨左下のあたりに両手の指を重ねておき、そのまま指の腹でゆっくりゆすりながら、骨盤に向けて約1分かけて少しずつ押し下げてください。
腰の下に5~10㎝程度のクッションを敷き、仰向けに寝て両膝を立てます。
おへその下あたりに両手の指を置き、軽くゆすりながら恥骨の方へ1分間かけてゆっくり押し下げ、同様におへその方へも1分ほどかけてゆっくりと押し上げましょう。
前述した、ねじれ腸の「S字結腸をゆらすマッサージ」を行うことで、落下腸も改善させることができます。
落下腸が疑われる場合は、朝食前と就寝前の1日に2回マッサージから試してみてください。
赤ちゃんや子供の便秘解消には、大人によるマッサージが効果的です。この記事を参考に、子供の様子を見ながらマッサージをして、便秘解消の手助けをしてあげましょう。なお、マッサージを試しても便秘が解消されない場合は、速やかに中止して病院で医師による診察を受けてくださいね。