帯状疱疹が目にできることもあるって本当?治療法は体と同じ?

2018/4/20

山本 康博 先生

記事監修医師

MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長
東京大学医学部卒 医学博士
日本呼吸器学会認定呼吸器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
人間ドック学会認定医
難病指定医
Member of American College of Physicians

山本 康博 先生

帯状疱疹の症状は皮膚の発疹が主ですが、目にも症状が出ることはあるのでしょうか?また、体に症状が出た場合と治療法は異なるのでしょうか?

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帯状疱疹による目の症状とは

帯状疱疹の原因ウイルスが顔や目を司る三叉神経に入り込み、発症した場合、目とその周辺に帯状疱疹特有の症状が出ることがあります。代表的な症状としては、頭・額・まぶた・まゆの周辺・鼻の左右どちらかだけの皮膚に、帯状疱疹特有の発疹が出て腫れあがり、強い痛みを引き起こします。

また、皮膚だけではなく眼球そのものに角膜炎・強膜炎・虹彩炎などの炎症が出たり、重症化すると顔面神経痛などの合併症を起こすこともあります。合併症などが出た場合、予後が良くないことも多く、症状が治まった後も長期にわたって神経痛に悩まされる人もいます。

目にできた帯状疱疹の治療法は?

身体と同様、目に帯状疱疹の症状が出た場合も、医師の処方・指示によって内服や点滴で抗ウイルス薬を投与することで治療していきます。この他、眼球や目の周りに強く症状が出ている場合には、眼科医から下瞼の内側に塗布して、眼球にも塗れる「眼軟膏」と呼ばれる薬が処方されることもあります。

使う薬の種類や用法は、受診した診療科目や医師の方針によっても異なります。しかしいずれにしても、症状の強く出ている目周辺と全身、両方に働きかける投薬治療が行われるのが一般的であす。

帯状疱疹の予防はできる?

大人が発症すると、皮膚の発疹に強い痛みを伴うと言われている帯状疱疹ですが、生活改善やワクチンの接種によって、予防することが可能です。

大人が発症する帯状疱疹のほとんどは、過去に水疱瘡や帯状疱疹に感染したときに神経節にのこっていたウイルスが免疫低下により活発化し、発症するものと言われています。このため、日ごろから栄養バランスの良い食事と十分な休息、適度な運動をして免疫力が高い状態をキープできれば、発症を予防することが可能なのです。

また、加齢とともに落ちていく帯状疱疹への免疫を高める方法として、50歳以上の人にはワクチンによる帯状疱疹の予防接種も行われています。ワクチンには「水痘・帯状疱疹ウイルスの活動低下」と「帯状疱疹の発症・重症化の予防」効果が期待できるとされています。

50歳以上で、帯状疱疹の発症が心配なら、日ごろの生活改善とあわせて、ワクチンの接種についてかかりつけ医に相談してみると良いでしょう。

おわりに:目にできる帯状疱疹は早期治療が重要!

一般的に上半身に出ることの多い帯状疱疹ですが、人によっては目と目の周辺に症状が出ることもあります。治療法としては、全身と目周辺両方への抗ウイルス薬の投薬がメインになります。後遺症を防ぐためにも早期の治療開始が望まれますので、皮膚に痛みや違和感を起きたら、できるだけ早く皮膚科や眼科の病院に行って、医師の診断と治療を受けてくださいね。

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