記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/6/27
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠初期には、様々な体調の変化が現れます。おりものの色やにおい、量なども変化もみられるようになりますが、どのような変化であれば正常で、どんな状態だったら病院に行った方がいいのでしょうか。
ここでは、妊娠初期のおりものの変化について説明しています。通常時のおりものの特徴についても説明しているので参考にしてください。
妊娠初期に血が混じったようなピンク色のおりものや、鮮血のような赤いおりものが出た場合は、子宮に何らかのトラブルが起きている可能性があります。
考えられるトラブルとしては
などが挙げられます。
特に、ピンクや赤色のおりものと一緒に、下腹部の痛みなどの症状があるときは注意が必要です。
まだ流産や病気であると決まったわけではありませんが、できるだけ早く原因を特定して対処するためにも、すぐに病院を受診しましょう。
茶色いおりもの(茶おり)は、妊娠中に出ることの多いおりものですが、そのなかには心配しなくて良いものと、注意が必要なものがあります。
以下に、茶色いおりもののうち「心配しなくて良いもの」「注意が必要なもの」を、それぞれの特徴や原因とあわせてご紹介していきます。
妊娠中に出てくる茶色いおりものの多くは
などで子宮が傷ついて出血し、時間がたってから排出されたものです。
このため、妊娠初期に茶色いおりものが出てきたとしても、すぐに治まったり、他に痛みなどの症状がない場合は、特に心配はいらないでしょう。
茶色いおりものが長く続く、色が赤に変わってきた、下腹部痛を伴うなどの症状が出ている場合は、子宮と赤ちゃんに以下のようなトラブルが起きている可能性があります。
上記のような茶色いおりものが出た場合、放置しておくと非常に危険です。
流産や、子宮外妊娠による卵管破裂などの重篤化を避けるためにも、茶色いおりものと一緒に痛みなどの症状が出たら、すぐに病院に行って医師の診察を受けてください。
ピンク色や赤色、茶色以外にも、妊娠初期に以下のようなおりものが出た場合には、何らかの感染症にかかっている可能性があります。
おりものの出方や量には個人差が大きいですが、通常上記のようなおりものが出ることはありません。
妊娠初期に、上で述べたような特徴のおりものが出るようであれば、腟における細菌などの感染が疑われます。すぐに産婦人科を受診し、医師の判断・指示を仰いでください。
妊娠中は、ホルモンバランスや身体のしくみが急激に変化するため、妊娠前に比べておりものが出やすくなったり、量が増えることは珍しくありません。
普段よりおりものが多少増えるだけなら、通常の体質変化の範囲内と考えられます。おりものをふき取って外陰部を清潔に保っていれば、特に心配する必要はないでしょう。
ただし、おりものの増加に伴って外陰部に強いかゆみや痛みを感じるようになったり、前述したようなおりものの色の異常が見られる場合は、早めに医師の診断を受けましょう。
最後に、妊娠初期に出るおりものが異常かどうかを判断するためにも、通常時のおりものの色やにおい、量の特徴を知っておきましょう。
妊娠初期におりものが出ること自体は、妊娠による体質変化の範囲内のことが多いです。しかし、おりものの色が明らかにおかしかったり、痛みやかゆみなどの症状を伴い変化している場合は、子宮と赤ちゃんのトラブルの可能性があります。この記事で紹介したような「疑わしい異常」があるときは、できるだけ早く婦人科の病院に行ってください。