記事監修医師
前田 裕斗 先生
2018/6/21
記事監修医師
前田 裕斗 先生
妊娠初期の症状のひとつに便秘があります。妊娠してなければ便秘薬を飲むこともできますが、妊娠初期に便秘薬を飲んでもいいのでしょうか。
妊娠初期の便秘の原因と便秘解消対策を紹介していくので、参考にしてください。
妊娠初期には、便秘の症状に悩む女性が多く出ると言われています。
以下に、妊娠初期の便秘解消に効果的な対策を5つご紹介しますので、参考にしてくださいね。
妊娠してプロゲステロンというホルモンが多く分泌されると、腸のなかの水分が少なくなってしまい、便の水分不足による便秘が起こりやすくなります。
ただし、冷たい飲み物は身体を冷やすので、ぬるま湯以上の温度の白湯やお茶を積極的に摂って、水分不足を解消しましょう。
妊娠初期はつわりのため、食べられるものや量が限られることも多いですが、可能であれば意識的に便秘解消効果のある食べ物を摂るようにしてください。
便秘解消には食物繊維豊富な
などの食材がおすすめです。
この他、乳酸菌も便秘解消の効果が期待できますので、ヨーグルトやチーズ、味噌や漬物などの発酵食品も積極的に食べると良いでしょう。
妊娠中の激しい運動は危険ですが、軽いストレッチやウォーキングなど適度な運動であれば、身体の血行や腸の働きを促進してくれます。
ストレッチをするなら腹筋を伸ばしたり揺らしたりするイメージのものを中心に、ウォーキングなら20分程度を目安に行うと良いでしょう。ただし、運動を始める前に必ず医師から許可をもらってください。
両手の親指と人差し指の交わるところにある「合谷(ごうこく)」や、手首の関節の小指側にあるくぼみ「神門(しんもん)」は、便秘解消に効果的なツボです。
指やペンで3~5回、左右のツボを押すと排便が促されるといわれているので、やってみましょう。
妊娠をきっかけとした生活環境の変化や乱れによるストレスも、便秘の一因となります。
妊娠初期で身体が辛いと生活リズムも乱れがちになりますが、十分な食事と睡眠を取り、早寝早起きにするなど、生活習慣の改善を試みてください。
この他、起床後など決まったタイミングでトイレに座る習慣をつけると、身体に排便リズムが身に付き、便が排出されやすくなるといわれています。
妊娠中、特にまだ安定期に入っていない妊娠初期は「排便のために強くいきむと、赤ちゃんが下りてきてしまわないか」と不安になる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、一般的にはいきんだり踏ん張ったりするだけで赤ちゃんを流産する心配はないといわれていますので、あまり心配しなくてもよいでしょう。
ただし、いきんだときに出血があったり、激痛、周期的な痛みがある場合には流産の兆候である可能性も考えられるため、医師に相談してください。
前項で述べた便秘解消の対策を試しても、一向に症状が改善されない場合もあります。
そんなとき、妊娠してなければ市販の便秘薬の力を借りたいと思うのではないでしょうか。
しかし、市販されている便秘薬のなかには、赤ちゃんへの悪影響が懸念されるものや、妊娠中の女性が飲んではいけない成分を含んでいるものがあります。
自然由来のものや漢方薬も販売されていますが、素人が市販薬のパッケージや成分表から、妊娠中の服用の可否を判断するのは危険です。
病院に行けば、妊娠中でも飲める便秘薬を処方してもらえますので、便秘が改善されず辛いときは必ず産婦人科の医師に相談しましょう。
最後に、妊娠初期の女性が便秘を起こしやすい原因を5つに分けて解説していきます。
妊娠中の便秘は、妊娠した女性に非常に起こりやすい妊娠初期症状の1つです。便秘薬には妊婦が飲めないものも多いため、便秘解消には主に生活習慣の改善・見直しをしていくことになります。どうしても症状が辛ければ病院で便秘薬を処方してもらえますので、自己判断で服薬せず、医師に相談してください。