記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/24 記事改定日: 2020/5/13
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
糖尿病は、他にも原因がありますが「糖の過剰摂取」が原因で発症する病気です。
この記事では、砂糖の摂取量の目安や砂糖の代わりになるものについて解説していきます。糖尿病が心配、前もって予防しておきたいという人は参考にしてください。
「糖尿病」は病名に「糖」の漢字が含まれていることから、砂糖の過剰摂取が原因というイメージをお持ちの方もいるようですが、必ずしも砂糖の摂りすぎを原因とする病気ではありません。
糖尿病には主に1型と2型の2種類があります。
食事内容と発症が関連する2型糖尿病ですが、砂糖の摂りすぎが原因とは限りません。慢性的にカロリーを摂りすぎること(特に高脂肪食)が原因で発症します。
事実、日本人の砂糖の消費量は減少傾向がみられますが、糖尿病患者数は増加傾向にあることから、砂糖だけが糖尿病の原因とは言い切れません。
ただし、砂糖を多く含むお菓子やジュースなどは急激に血糖値を高めるため、糖尿病の発症や悪化リスクを上げる原因のひとつではあります。糖尿病の発症を抑えるためには、できるだけ砂糖の摂取を控えることが望ましいです。
世界保健機構(WHO)は、糖尿病や肥満・虫歯予防のために、「砂糖などの糖類の摂取量を一日の摂取カロリーの5%未満に留めることが健康的に望ましい」とし、「平均的な成人の場合は一日ティースプーン6杯(25g)までを摂取量の目安とする」と指針を発表しています(WHOの指針内で対象となる糖類は、単糖類と2糖類のショ糖です。未加工の青果類や牛乳などの糖分は対象外となっています)。
なお、日常生活ではケチャップやジュースなどから無意識のうちに糖類を摂取していることが多いので注意が必要です。
単糖類とは、一種類のみの分子で構成される糖類のことです。
体内ではそれ以上分解することはできず、代表的なものとしてはブドウ糖、果糖、ガラクトースなどが含まれています。
単糖類は甘みが強いのが特徴で、消化吸収も早いため摂取すると血糖値を速やかに上昇させる性質があります。
二糖類とは、2つの単糖類がつながって構成される糖類のことです。
代表的なものには、ショ糖、麦芽糖、乳糖などが挙げられます。体内では消化されて単糖類に分解されますが、単糖類と同様に甘みが強く、血糖値を上昇させます。
近年では砂糖の代わりになる甘味料が多くつくられています。糖尿病患者や予備軍の方におすすめの代替品としては、以下のものが挙げられます。
ステビア、サッカリン、キシリトール、スクラロース、アスパルテームなどの人工甘味料は、砂糖よりも甘味が強い反面カロリーが低いので、砂糖の代わりとして糖尿病患者の食事によく取り入れられています。
ただし、過剰摂取すると甘味に鈍くなってしまい、より多く甘いものを欲するようになって、高血糖につながるおそれがあります。あくまで料理の味付けなどでの利用に留めましょう。
ハチミツやメープルシロップなどの天然甘味料は砂糖と比べてカロリーが低く、血糖値を上げにくいというメリットがあります。ただし低価格品など砂糖が混じっていることがあるので、購入の際は原材料名をチェックしてください。
オリゴ糖の中でも難消化性オリゴ糖は、砂糖とカロリーはそこまで変わらないものの、血糖値を上げにくいという特徴があるので糖尿病患者におすすめです。
糖尿病は、砂糖の過剰摂取だけが原因で発症する病気ではありません。しかし、砂糖を多く含む甘いものを食べ過ぎると高血糖や肥満につながり、糖尿病の発症・悪化リスクを上げるおそれがあります。人工甘味料など代替品を上手に使い、摂取量を抑えましょう。