記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/28
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
高血圧は自覚症状がほとんどないと言われていますが、頭痛や動悸・息切れ、肩こり、めまいといった症状が出てくることがあると言われています。この記事では、高血圧の症状が出た場合にどんな対策をすればよいかを解説します。
高血圧とは、血管に必要以上に圧力がかかっている状態です。深刻な病気を発症するまでほとんど自覚症状がないと言われています。しかし、頭痛や動悸・息切れ、肩こり・めまい、胸の痛み、むくみといった症状がみられる場合、合併症を引き起こしている可能性があります。このような場合は、すぐ医師の診察を受けてください。
高血圧の治療は、リスクの程度に応じて生活習慣の見直しと薬物療法を組み合わせながら行われます。
喫煙や運動、食生活(塩分摂取量)、肥満といった生活習慣を見直すことで、高血圧の改善を目指します。
生活習慣の見直しだけでは血圧が下がらない場合、降圧薬を服用して血圧を下げていきます。
高血圧の治療では、血圧を正常値にコントロールして合併症を予防することを目指します。初診時の血圧が140~159/90~99mmHgで、臓器障害や合併症がみられない場合は低リスク患者に分類し、生活習慣の見直しから治療を始めます。3カ月以内にもう一度血圧を測って正常値に下がっていない場合にのみ、降圧薬の服用を始めます。
初診時の血圧が160/100mmHg以上の場合(中等リスク)の人は、生活習慣を見直してから1カ月以内に血圧を再測定し、改善がみられなければ降圧薬の服用を始めます。また、初診時の血圧が180/110mmHg以上の重症高血圧の場合(高リスク)は、すぐに降圧薬の服用を始めます。
高血圧を改善するためには、塩分控えめの食事を心がけることや、日常生活に適度な運動を取り入れることが大切です。
高血圧の人の場合、1日の塩分摂取量は6g未満です。薄味でもおいしく食べられるよう、香辛料を効かせたり、濃いめのだしを使ったりするなど、塩味以外の風味を活用しましょう。
また、塩分を排出する効果があるカリウムが豊富な食材を積極的に食べることもおすすめです。毎日の食生活に、いも類やトマト、ほうれん草、バナナなどを取り入れてください。
軽く汗ばむくらいの運動を習慣づけると、血圧を下げる体内物質を増やす効果が得られます。また、代謝がよくなるだけでなく、筋肉がつくので体脂肪が減って肥満の解消も期待できます。
通勤時に一駅分歩いたり、エスカレーターやエレベーターの代わりに階段を使ったりするなど、日常生活に無理なく運動を取り入れましょう。ただし、急に運動すると血圧が変動しやすくなりますので気をつけてください。
薬物療法を始めるタイミングは、年齢や臓器障害の有無、糖尿病などの合併症の有無などを考慮に入れて医師が判断します。
降圧薬にはさまざまな種類がありますが、どの降圧薬を使って血圧を下げるかは、医師が年齢や高血圧の重症度、合併症の有無などに基づいて適切なものを選んでくれます。また、1種類の降圧薬では血圧が低下しない場合、複数の降圧薬を組み合わせて服用することもあります。
日本で使われる主な降圧薬として、以下の8種類があります。
・カルシウム拮抗薬
・アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
・アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)
・利尿薬
・β(ベータ)遮断薬
・α(アルファ)1遮断薬
・アルドステロン拮抗薬
・直接的レニン阻害薬
服用するときは、医師の指示に従って正しく服用しましょう。もし血圧が低下しても、自己判断で薬の量を減らしたり、服用をやめたりしないでください。
また、降圧薬の副作用として、動悸や頭痛、むくみ、めまい、便秘といった症状が起こる可能性があります。もし、このような症状がみられたら、医師に相談してください。
高血圧かなと思ったとき、血圧がどの程度かによって治療方法が異なります。それほど血圧が高くなければ生活習慣の見直しを続けながら血圧を下げることを目指しますが、既に症状がすすんでいた場合はすぐに降圧薬の服用から始めます。頭痛やめまいといった症状が続いたり、健康診断で血圧が高いと言われたら、症状が深刻化する前に病院へ行き、治療を始めましょう。