記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
高血圧になると頭痛だけでなく、吐き気も催しやすいと言われています。この記事では、なぜ頭痛とともに吐き気も出てしまうのかとともに、高血圧の場合に行くべき診療科について解説したいと思います。
高血圧を抱える方の多くが、頭痛に悩まされていると言われています。頭痛を発症する原因として、緊急性の低いものもあれば、緊急性が高いものもあります。ただ、ごくまれではありますが、「高血圧性脳症」を発症すると、頭痛に加えて視力障害やけいれん、意識障害といった深刻な症状があらわれます。
高血圧性脳症は、急激な血圧の上昇によって脳内の血液量が増えた結果、血液の液体成分が脳の血管から漏れ出て脳のむくみを引き起こすものです。脳がむくんでも頭蓋骨の大きさは変わらないため、脳にかかる圧力が高くなります。その結果、頭痛が出てくるのです。
高血圧による頭痛で吐き気が起こる原因として、高血圧性脳症が考えられます。脳にかかる圧力が上昇すると、脳内にある嘔吐中枢神経(おうとちゅうすうしんけい:吐き気や嘔吐に関係する神経)が刺激を受けやすくなるため、吐き気を感じたり、嘔吐したりすることがあります。
また、くも膜下出血や脳出血を発症した場合、出血によって脳内の圧力が上がって嘔吐中枢神経を刺激することがあります。そして、心筋梗塞によって心臓がダメージを受けると、迷走神経(めいそうしんけい:感覚,運動,分泌を支配する神経で、脳から胸、お腹などに伸びている)が刺激を受けて吐き気などが起こりやすくなることがわかっています。
高血圧が原因で起こる深刻な頭痛として、高血圧性脳症のほかに脳卒中があります。脳卒中のひとつであるくも膜下出血を発症すると、突然、後頭部に激しい痛みが襲ってくることが研究で明らかになっています。
高血圧かどうかは、一般内科、循環器内科、腎臓内科、神経内科で診てもらえます。高血圧の治療は長期にわたるため、病院は規模ではなく、通いやすさや医師との相性を考慮して考慮して選ぶことがおすすめです。
高血圧で頭痛が起きる原因は、すべて解明されているわけではありません。ただ、頭痛の中には高血圧性脳症や脳卒中といった深刻な症状を引き起こすものがあります。ただの頭痛と放置したり、市販薬で乗り切ろうとせず、気になる症状がみられたら医療機関を受診してください。