記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/26
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
更年期障害は女性特有のものと思われてきましたが、最近は個人差はあるものの、男性にも更年期障害が出てくることがあることが明らかになっています。更年期障害があらわれる年齢は男女で異なるのか、また、症状に違いはあるのかなど、この記事で見ていきたいと思います。
女性の更年期障害が始まる年齢は、個人差はあるものの、一般的には40代後半から50代前半と言われています。
更年期障害が起こる原因は、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)が減少するためと考えられています。女性ホルモンが減少すると、月経(生理)不順が起きたり、ほてりやのぼせといった症状が出てきたりします。
女性の更年期障害の症状として、以下のようなものがあります。
突然のほてりやのぼせは自律神経の乱れが原因で起こるもので、「ホットフラッシュ」とも呼ばれます。突然顔が熱くなったり、首や背中などから汗が流れてくることが知られていますが、反対に手足が冷えてしまう症状が出ることもあります。
感情の波が激しく、自分でもコントロールできない状態になってしまう症状です。イライラや不安感のほかに、集中力の低下や無気力状態といった症状もみられます。
肩こりや腰痛は、自律神経の乱れによって血液循環が悪くなるために起こります。また、頭痛や頭が重くなる症状は、昔から頭痛持ちだった方や、月経(生理)前後に頭痛になることが多かった人にあらわれやすい症状です。
めまいや耳鳴りは、自律神経の乱れによって血管の機能が乱れ、血圧が安定しなくなるために起こります。
更年期によって、ホルモンのバランスが崩れると、全身のだるさや疲れやすいといった症状もあらわれます。
女性ホルモンのバランスが崩れると腟の乾燥や委縮が起こるため、性行為中に痛みを感じやすくなります。この変化により、性欲が低下したり、性行為が苦痛になったりすることもあります。
男性の更年期障害も、女性と同じく40代後半から50代前半に起こることが多いと言われています。
ただ、女性と異なり、男性ホルモン(テストステロン)が緩やかに減少することが多く、また、症状があらわれる時期や程度には女性以上に個人差があると言われています。
男性の更年期障害の症状として、以下のようなものがあります。
男性ホルモンが減少することによって筋肉や骨を丈夫にする働きが弱くなり、筋力の低下やそれに伴う筋肉痛、疲労感があらわれます。また、女性の場合と同じく、ほてり(ホットフラッシュ)や発汗、頭痛、めまいといった症状もみられます。
男性ホルモンの減少によってネガティブな感情をコントロールする働きが弱くなり、不安を感じやすくなったり、ささいなことでイライラしたりするようになります。また、抑うつや不眠、それに伴う集中力や記憶力の低下などもみられます。
男性ホルモンであるテストステロンには、ドーパミン(興奮作用のある神経伝達物質)を増やす効果もあります。このため、テストステロンの減少によってED(勃起不全)や性欲の減退といった症状がみられるようになります。
これまでも述べてきたように、更年期障害は40代後半から50代前半にあらわれる症状ですが、近年、男女を問わず20代から30代の人にも更年期障害のような症状があらわれることがあります。
若い年齢で更年期障害のような症状があらわれるのは、不規則な生活や睡眠不足、過度のストレス、運動不足といった、生活習慣の乱れが原因で発症していると考えられています。
更年期障害の症状があらわれる年齢は、男女とも40代後半から50代前半と言われています。症状も男女ともほぼ同じですが、男性のほうが男性ホルモンであるエストロゲンの減少がゆるやかなことや、症状の出方に個人差がある点で違いがあります。