記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/5/5 記事改定日: 2019/4/4
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
高血圧は運動や食事などの生活習慣を改善する「非薬物療法」と、降圧薬によって血圧を下げる「薬物療法」の2つのアプローチによって治療していきます。
今回は、高血圧治療における運動の効果と運動が禁忌になる条件についてお伝えします。
高血圧治療における運動の効果は、「血管内皮機能の改善」「降圧効果」「高血圧症の改善」の3つです。そのため、運動をすると、体内のホルモン、血液量、交感神経系の働きなどが血圧を下げるように変化していきます。
高血圧の治療として運動は推奨されていますが、中には注意が必要な場合もあります。
まず高血圧患者によっては運動が引き金となって心臓発作や脳卒中を引き起こす可能性があるため、運動療法開始前には必ず医師に確認するようにしましょう。
病院では運動を開始する前にメディカルチェックを行い、虚血性心疾患や心不全などの疾患がないかどうかを調べたうえで、運動療法を行っても良いかどうかを確認します。
また、検査結果をもとに患者の年齢・体力・高血圧の進行具合・体重などから適切な運動量や強度、時間や回数などを指示していきます。
すでに高血圧と診断されている場合は、どのような運動をした方が良いかなど、担当医に相談してから取り組むようにしましょう。
高血圧患者であっても、以下のような条件に当てはまる場合は運動をすることで健康に重大な悪影響をもたらす可能性があります。運動療法については、必ず医師と相談して医師の指導のもと取り組んでいくようにしましょう。
高血圧の改善には、ウォーキング、ランニング、サイクリング、水中運動、水泳などの有酸素運動が効果的だといわれています。
また、有酸素運動に筋肉に抵抗をかける動作を繰り返すレジスタンス運動(スクワット、ダンベル運動)やストレッチを組み合わせると、脂肪・体重の増加を防ぐ効果や骨粗鬆症・腰痛の防止の効果、関節の可動域や機能の向上が期待できます。
高血圧患者にとってリスクが高い運動は、激しい運動や急激に力を使うような運動です。
これは、激しい運動を行うと血圧が急激に上昇するためです。
また、急激に力を入れる動きをする、腕立て伏せ、重量挙げ、けん垂などの無酸素運動も危険なので避けるようにしてください。
運動療法は有効な高血圧治療のひとつですが、運動の種類や患者の状態によっては心臓発作や脳卒中を引き起こす危険性があります。
どんな運動内容やペースが自分に合っているのか、やってはいけない運動は何かを、運動療法を行う前に必ず医師に確認するようにしてください。
運動療法は続けることが大切です。必要に応じて医師と相談しながら、無理なく取り組んでいきましょう。