記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/25
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
手や指の関節のこわばりや痛みがみられる関節痛と関節が炎症を起こして、進行すると関節が変形してしまう関節リウマチ――。 どちらも更年期の女性が発症しやすく症状も似ているため見分けるのが難しいですが、両者は異なるものです。
今回は、そんな更年期の関節痛についての情報をお伝えします。
膠原病であるリウマチ(関節リウマチ)は手が腫れたり、指がはれぼったくなったり、関節が熱を持っていたり左右対称に腫れるといった症状がみられます。
一方、更年期による関節痛の場合は手足のこわばりや痛みが現れることが多く、関節を支える軟骨や筋肉の衰えや、加齢や急激なエストロゲンの減少の影響によって軟骨や筋肉の機能が低下したり、血行が悪くなることが原因で起こると考えられています。
更年期に関節痛が起こりやすいのは、加齢によるエストロゲンの減少によって関節を支えている軟骨や筋肉が弱くなったり、関節内の水分が減って動かしにくくなったり血液の循環が悪くなったりするからだといわれています。
関節痛を完全に治すのは難しいですが、毎日の食事で血行促進効果がある食材を多く取り入れたり、お風呂で関節をマッサージしてほぐすことで血行を改善していく方法などで、痛みをいくらか和らげることはできます。
例えば、血行促進効果のある【レバー、卵、大豆製品、バナナ、牛乳】などビタミンBが豊富な食材を積極的に食べるようにする、入浴中にマッサージをして体をほぐし、手足や全身の血行を改善するなどのセルフケア方法があります。
更年期の関節痛の治療は、不足している女性ホルモンを補うホルモン補充療法または、根本的な体質改善を目的に漢方薬が処方されることが多いです。
代表的な漢方薬には「疎経活血湯(そけいかっけつとう)」「桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)」「八味地黄丸(はちみじおうがん)」などがあります。
更年期の関節痛とリウマチ(関節リウマチ)では痛みの原因が異なります。ですが、関節痛が更年期によるものなのかリウマチ(関節リウマチ)によるものなのかを自己判断で見分けるのは難しいので、どちらか悩んだ場合には整形外科やリウマチ科を受診して正確な原因を見つけてもらい、早めに治療を始めると良いでしょう。