記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/25 記事改定日: 2019/6/12
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記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
糖尿病の原因としては、暴飲暴食や運動不足、肥満などが知られていますが、近年「ストレス」も原因の一つとして注目されるようになっています。ストレスと糖尿病の関連性について、詳しくは以降でご紹介します。
近年、研究によって、仕事のストレスが糖尿病の発症率を上げることが判明しました。これに関する海外の研究結果を2つご紹介すると、「過大な仕事によって強いストレスを感じている人は、そうでない人と比べて、2型糖尿病の発症リスクが約45%上昇した」「仕事のストレスが大きい女性は、そうでない女性と比べて、2型糖尿病の発症リスクが約2倍になる」というものです。
人間はストレスを感じると、交感神経が活性化することによって、血糖値を上昇させるアドレナリンやコルチゾール、グルカゴン、甲状腺ホルモンなどが分泌されるようになります。さらに、インスリン抵抗性(血糖値を下げるホルモン・インスリンへの感受性が低下した状態)も強くなります。つまりストレスの大きい状態が続いていると高血糖の状態も続き、結果的に糖尿病の発症リスクを高めることになるのです。
ただ、糖尿病は生活習慣の乱れや遺伝など、複数の原因が重なり合って発病するものであり、ストレスによって血糖値が糖尿病レベルまで上昇する人はそもそも糖尿病体質の人です。そのため、ストレスがなくなったからといって、必ずしも糖尿病が治るわけではありません。
ストレスは糖尿病の発症だけでなく、悪化の原因にもなると考えられています。先述の通り、ストレスは血糖値を上昇させるホルモンの分泌量を増やし、インスリン抵抗性を上げるため、血糖コントロールが難しくなります。
また、ストレスが溜まると精神状態が悪化し、不安を解消するためにドカ食いやお酒に走ることも少なくありませんが、これも糖尿病の悪化につながります。
ストレスが溜まったからといってドカ食いやお酒に走ると、さらに高血糖の状態になってしまいます。糖尿病を予防するためにも、ドカ食い以外の方法でストレスに上手に対処しましょう。
上で述べたように、糖尿病は過度なストレスが溜まると病状が悪化することがあります。そのような事態を防ぐためにも、糖尿病の人はしっかりとストレス対策を行っていく必要があります。
ストレス対策の方法には様々なものがあるので自分に合った方法は自分自身で見つけていかなければいけませんが、具体的には以下の方法がありますので、ひとつずつ試してみましょう。
ストレスが溜まると、血糖値を上昇させるホルモンが分泌されるため、糖尿病の発症や悪化につながると考えられています。糖尿病患者もそうでない方も、健康的なストレス対処法を身につけることが大切です。