高血圧でめまいや頭痛、吐き気が起こる原因とは?

2018/4/26 記事改定日: 2019/4/4
記事改定回数:1回

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

高血圧は放っておくと、脳卒中や心臓病などの重大な合併症につながる可能性があります。しかし、その症状ははっきりと現れないことも多く、見逃してしまうケースもが少なくないといわれています。
今回はそんな高血圧の症状のうち、「めまい」「頭痛」「吐き気」が起こる原因について解説します。

高血圧でめまいが出てくるのはなぜ?

高血圧で現れる症状のほとんどは合併症によるものが多く、めまいもその多様な合併症の症状の一つです。

「脳卒中」によるめまい

高血圧の合併症の一つである「脳梗塞」や「脳卒中」が起こると、脳への血流が低下し、平衡感覚をつかさどる神経にダメージを受けます。その結果、体のバランスをうまく保てなくなり、めまいが生じます。脳卒中によるめまいは、通常2~3時間、最短でも20~30分は持続するとされています。

「血圧を下げる薬(降圧薬)」によるめまい

血圧を下げる薬(降圧薬)を多量に摂取した場合や、体調の変化により薬の効果が強まってしまった場合、一時的に低血圧となりめまいが生じることがあります。特に高齢の人の場合は、自律神経が弱まっているため症状が出やすくなります。

降圧薬の飲み過ぎで大幅に血圧が低下すると、心臓から全身への血液供給がうまく出来なくなり脳への血液供給も減少して脳が酸欠状態となり平衡中枢の働きが悪くなりフラフラとしためまいが生じます。
降圧薬を飲む際は、医師の指定した用量を守って服用するようにしましょう。

高血圧でめまいが起こったときは病院へ!!

一般的にめまいが起こったときは、メニエール病などを疑い耳鼻科を受診する人が多いとされていますが、国立循環器医療センターの調査によると、めまいを感じる人の10人のうち1人は「脳梗塞」が原因とされており、めまいには重大な病気が隠れている場合があります。
めまいの他に以下の症状もある場合、脳卒中や血圧に関連しためまいの可能性がありますので、直ちに医療機関を受診しましょう。

危険なめまいの特徴

高血圧は自覚症状がほとんどありませんが、血圧が高い状態が続くことで血管に過度な負担をかけ、動脈硬化を引き起こします。その結果、血管が細く硬くなって脳梗塞を引き起こすことがあり、その結果めまいを生じることもあります。

高血圧を指摘されたことがある人で、以下のような特徴のあるめまいがある場合は、なるべく早めに病院を受診するようにしましょう

  • ふわふわと浮いたようなめまいが突然生じる
  • 吐き気や嘔吐を伴う
  • 身体の一部にしびれが生じる
  • ろれつが回らなくなる
  • 言葉が上手く出て来ず、会話ができなくなる
  • 意識消失が見られた

高血圧で頭痛がすることもある?

高血圧により頭痛が起こる原因は、まだはっきりと解明されていません。
しかしまれに、「高血圧性脳症」と呼ばれる合併症が原因となっている場合があり、その場合早期発見・治療が必要となります。

高血圧性脳症による頭痛

脳の血管というのは、血圧が著しく上昇すると、血管を流れる血流が増大し、血液の液体成分が血管から漏れ出てしまいます。すると脳は通常時よりもむくんだ状態になり、頭蓋骨を圧迫します。
このように、脳にかかる圧力が上昇することにより、頭痛が生じるのです。また、高血圧性脳症の場合、頭痛の他に「視力障害」「痙攣」「意識障害」などの症状がある場合があります。

脳卒中による頭痛

米国エール大学の研究によると、脳卒中の一つである「くも膜下出血」を起こした人の85%以上が、突然激しい頭痛(後頭部をバッド殴られるような痛み)に襲われたことがあると明らかにされています。また、くも膜下出血を発症する前にも、軽い頭痛が持続する場合があります。

高血圧による頭痛の治療法

高血圧に関連した頭痛を予防・治療をするためには、根本的な原因となっている高血圧に対する治療を行うことと、急激な血圧上昇を防ぐことが大切です。

生活習慣改善

高血圧の治療では、「血圧を上げないための食事」や「運動不足の改善」など基本的な生活習慣を改善することが重要になります。医師と相談しながら、自分の生活スタイルに合った改善法を考え、実施・継続していきましょう。

血圧のコントロール

急激に血圧が上昇すると、脳への合併症が起こる確率が高くなるので、それを予防するためにも急激な血圧上昇には注意する必要があります。特に、興奮した時に血圧が上がりやすくなるので、普段から気をつけましょう。

悪い例
  • スポーツ試合の激しい応援
  • 言い争い
  • 熱いお風呂につかる

高血圧で吐き気が出てくることはある?

頭痛と同じく、吐き気も血圧の合併症による症状の一つとして現れる場合があります。

高血圧脳症による吐き気

「高血圧脳症」により脳に強い圧力がかかると、吐き気や嘔吐に関係している「嘔吐中枢神経」が刺激され、吐き気を起こさせます。

脳卒中による吐き気

「くも膜下出血」や「脳出血」などで、脳にかかる圧力が上昇すると、嘔吐中枢神経が刺激されて、吐き気を起こさせます。

心筋梗塞による吐き気

「心筋梗塞」によって心臓にダメージが生じると、心臓の近くにある「迷走神経」という神経が刺激されて吐き気が起こります。また、迷走神経が関係した病気の反応には吐き気の他、「血圧・心拍数の低下」「失神」「冷や汗」などの症状があります。

高血圧による吐き気の治し方は?

高血圧に関連した吐き気の場合、「脳卒中」や「心筋梗塞」などの重篤な病気が隠れている可能性があるので、早めに医療機関を受診しましょう。

おわりに:高血圧の人のめまいや頭痛、吐き気は合併症が原因かも。普段から血圧コントロールを

深刻な高血圧の合併症にならないためにも、普段から血圧のコントロールに気を配り、生活習慣を見直す必要があります。そして、少しでも気になる症状がある場合は医師の診断を仰ぎ、必要であれば血圧を下げる薬を処方してもらいましょう。

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