記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/24
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
高血圧の人は自分でも気づかないうちに、血圧を上げるような食生活をしている可能性があります。世界的に見ても日本人は塩分を摂りすぎている傾向があるなど、普段から高血圧になりやすい条件がそろっているので、「血圧が高め」という人は、まず食事の内容や仕方を見直すことが大切になります。今回は高血圧に効果的な食事やレシピについて解説していきます。
普段の食生活の中で、まず最初に気をつけるべきなのは「塩分の摂取量」です。
日本高血圧学会のガイドラインでは、1日当たりの塩分摂取量の目安を「6g未満」と設定していますが、この摂取量でもまだ多いくらいで、同時に「より少なくすることが理想」とも記述しています。
カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのミネラルには、血圧を調整する効果がありますので、高血圧予防をするためにこれらの成分をしっかりと摂取しましょう。
「カリウム」には、腎臓から不要な分の塩分(ナトリウム)を排出する働きがあり、「マグネシウム」はその働きをサポートする効果があります。ただし、腎臓病を患っている人の場合は、カリウムを多量に摂取すると症状が悪化するおそれがあるので、医師に相談してから摂取するようにしましょう。
「カルシウム」不足になると、心臓や血管を収縮させる作用のある、副甲状腺ホルモンやプロビタミンDという物質が分泌され、これらが血圧を上昇させます。
そのため、カルシウム不足の人は高血圧になりやすくなってしまいますので、普段からカルシウムの摂取を心がけることが大切です。また、「マグネシウム」にはカルシウムの吸収を助ける作用があるので、同時に摂取するとより効果的になります。
高血圧を予防するうえでは、肥満(内臓脂肪型肥満)を解消することも大切です。
個人差はありますが、一般的に体重を4~5kg落とすと、血圧を低下させる効果がみられます。(ただし、無理なダイエットは禁物です)間食や夜食を避け、規則正しい食生活をおくりましょう。
アボカドには、血圧の上昇を抑える効果のあるカリウムや葉酸や、血圧の調整をしてくれるマグネシウム、抗酸化作用のあるビタミンEが多く含まれており、高血圧の予防に役立ちます。
エネルギー/210kcal、たんぱく質/7.0g、塩分/1.1g
材料(1人分)
作り方
ブロッコリーには、血圧の上昇を抑える効果のあるカリウムの他、鉄、β―カロテン、ビタミンE、ビタミンc、葉酸、食物繊維などの様々な栄養素が含まれています。
エネルギー/149kcal、たんぱく質/11.2g、塩分/1.0g
材料(1人分)
作り方
カリウムには、体内の余分な塩分(ナトリウム)を体外へ排出して、血圧を下げる働きがあり、高血圧予防に効果的です。ただし、腎臓の悪い人の場合は、症状を悪化させる可能性があるのでカリウムの過剰摂取には注意しましょう。
カリウムは、新鮮食品に多く含まれており、加工や精製が進むほど含量は減少します。また、カリウムは水溶性なので、煮たりゆでたりすると成分が水に溶けだしてしまいます。そのため、生野菜をサラダにしたり、果物をそのまま摂取することで、効率的にカリウムを摂取することができます。
普通の食生活を送っている分には心配ないのですが、腎臓の機能が低下している場合には注意が必要です。カリウムはその大部分が尿と一緒に排出されるようになっていますが、腎不全などで腎機能が低下しているとカリウムがうまく排出できず「高カリウム症」になってしまう場合があります。
「高カリウム症」になると、筋収縮の調整がうまく出来なくなり、四肢のしびれ、心電図異常などの症状や、重篤な場合は心停止を起こすこともあります。また、腎機能は加齢になると衰えてくるため、高齢の方ほど注意が必要となります。
腎機能に異常がなくサプリメントを利用していない場合は、カリウムが過剰になる心配はないとされています。成人男性で3000mg、成人女性で2600mgを目標に積極的に摂取しましょう。
高血圧を予防するためには、塩分を控えるのみでなく、高カロリーの食べ物を避け、血圧を下げる効果があるといわれる食べ物を取り入れるなど、普段の食生活の見直しや改善が必要になります。ご自身の食事内容や、栄養バランス、摂取する時間帯などを見直してみて、改善できる点が見つかった場合は早めに改善していきましょう。