糖尿病でも喫煙・飲酒してもいい? リスクを解説

2018/4/24

山本 康博 先生

記事監修医師

東京大学医学部卒 呼吸器内科医

山本 康博 先生

喫煙者やお酒好きの方で、糖尿病や予備軍と診断されてしまった場合、気になるのが「喫煙・飲酒を続けてもいいのか」ということです。喫煙や飲酒がもたらすリスクについて以降で解説します。

喫煙で糖尿病のリスクが上がる?その理由は?

喫煙は糖尿病の発症リスクを上げる要因であり、「喫煙者は2型糖尿病に約1.4倍かかりやすい」「1日の20本の喫煙を25年間続けると、糖尿病の発症リスクが1.6倍になる」といったことが数々の研究によって示唆されています。なお、喫煙本数が多ければ多いほどリスクは高くなります。

喫煙によって糖尿病になりやすくなる理由としては、まず、「交感神経が刺激されて血糖値が上がること」が挙げられます。タバコに含まれるニコチンは交感神経を刺激し、コルチゾールやグルカゴン、アドレナリンといった血糖値を上昇させるホルモンの分泌量を増やすことがわかっています。

またもう一つの理由として、「体内のインスリンの作用が妨げられること」があります。喫煙すると血糖値を下げるホルモン「インスリン」の作用が阻害され、血糖値が下がりにくくなる「インスリン抵抗性」の状態を招きます。これにより高血糖の状態が慢性的に続き、糖尿病を発症しやすくなるのです。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

喫煙は糖尿病の悪化にもつながる

喫煙は糖尿病患者にとっても高リスクです。喫煙は治療効果を低下させ、さらには糖尿病の合併症や脳梗塞、心筋梗塞の発症リスクを高めることがわかっています。

例えば、インスリン治療中で喫煙者の糖尿病患者は、非喫煙者の患者と比べて20%ほど多くのインスリンが必要になり、さらにインスリンの吸収率も低下しているため、治療効果が得にくくなります。また、糖尿病患者は高血糖によってすでに動脈硬化になりやすい状態ですが、喫煙によってさらに動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも高まることになります。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

喫煙より飲酒の方が糖尿病リスクが低い?

適度な飲酒量であれば、糖尿病の発症リスクを低下させることがわかっていますが、大量の飲酒は暴食にもつながることから逆に発症・悪化リスクを高め、さらに肝障害が加わることで、治療困難な糖尿病になる恐れがあります。つまり、糖尿病患者の喫煙者は禁煙が必要なのと同様に、お酒も原則禁酒が望ましいです。適度な飲酒をしても問題がないのは、あくまで血糖値が良好で合併症のない糖尿病患者さんのみです。ビールでいえば、1日に中瓶半分程度に留めてください。

厚生労働省 の情報をもとに編集して作成 】

おわりに:喫煙・飲酒は糖尿病リスクを高める

喫煙や飲酒は糖尿病の発症や悪化のリスクを高める要因と言われています。糖尿病患者も予備軍の方も、喫煙や飲酒の習慣があるなら禁煙・禁酒を始めることが望ましいです。

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