記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/27 記事改定日: 2019/4/4
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MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
高血圧の基準は定期的に見直されているのをご存知ですか。現時点(2019年4月)で最新の数値は「高血圧治療ガイドライン2014」にまとめられています。この記事では、現在の高血圧の基準につついて説明しています。
高血圧の基準は、世界の基準を参考にしながら定期的に見直されています。現時点での最新の基準値は、「高血圧治療ガイドライン2014」に書かれています。
現在の高血圧の基準は、測定条件によって異なる数値が設定されています。対症となる測定条件として、「診察室血圧」「家庭血圧」「24時間自由行動下血圧」の3つあります。
診察室血圧とは、病院で医師や看護師などが測定する血圧です。診察室血圧で高血圧となるのは、140/90mmHg以上の場合です。
家庭血圧とは、自宅で毎日、同じ時間に測定した血圧のことです。家庭血圧で高血圧となるのは、135/85mmHg以上の場合です。
24時間自由行動下血圧とは、15分~30分間隔で、普段通りの生活を送りながら測定した血圧です。24時間行動下血圧で高血圧になるのは、130/80mmHg以上の場合です。
世界では、成人のうち3人に1人以上が高血圧と言われています。先進国では、高血圧の治療が進んでいることもあり、高血圧による心臓疾患や脳卒中で亡くなる方は少なくなっています。たとえばアメリカでは、1980年代では31%の成人が高血圧と診断されていましたが、2000年代後半には23%に減少しています。
一方、アフリカなどの開発途上国では適切な治療がまだ普及していないこともあり、いまなお成人の半数近くが高血圧を発症していると言われています。
正常高値血圧とは、「収縮期血圧が130~139mmHgかつ/または拡張期血圧85~89mmHg」の範囲の血圧のことを指します。現在では、高血圧による心筋梗塞や心不全などの合併症を予防するためには、血圧は120/80未満で維持することが望ましいと考えられています。
正常高値血圧は高血圧の診断基準を満たしてはいませんが、健康リスクは高い状態です。血圧を下げるための薬物療法などを受ける必要はありませんが、血圧を至適範囲に下がるよう、食生活や運動習慣などの生活習慣を見直してみましょう。
高血圧の基準は、世界の動向を考慮しながら定期的に見直されています。また、高血圧の基準値は、測定場所や測定方法によって異なる数値が定められているので、正確に把握することが大切です。