記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
2018/4/25 記事改定日: 2019/4/1
記事改定回数:1回
記事監修医師
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい 院長 東京大学医学部卒 医学博士日本呼吸器学会認定呼吸器専門医日本内科学会認定総合内科専門医人間ドック学会認定医難病指定医Member of American College of Physicians
山本 康博 先生
どんな年齢の人でも耳鳴りは起こることがありますが、近年、高校生や20代など若い人の耳鳴りが増加傾向にあります。今回の記事では、そんな若い人の耳鳴りの主な原因について解説します。
近年、ボーという低音の耳鳴りに悩む20~30代の女性が増加傾向にあります。これは低音難聴の症状で、耳の中の蝸牛周囲のリンパ管が膨らみ、音波の振動が減少することで低音の感受性に異常が生じることで起こります。原因としては、ストレスや女性ホルモン・自律神経の乱れなどが考えられています。
なお、耳鳴りの原因としては突発性難聴も考えられますが、特に若い女性に多いといわれているのは低音難聴です。それぞれ以下の特徴があります。
ただ、上記の特徴はあくまでも一般的な特徴であり、症状だけで耳鳴りの原因が特定できるわけではありません。
高校生の耳鳴りの原因として、まず考えられるのはストレスです。学校での人間関係や家庭環境、受験勉強などでの精神的なストレス、夜更かしなど睡眠不足による身体的なストレスは、自律神経を乱れさせ、耳鳴りを引き起こすと考えられています。
また、高校生によくあるのが、ライブや大音量のイヤホンなどで大きな音を聴いたことによる耳鳴りです。これは内耳の蝸牛の感覚細胞が損傷したことで起こるもので、早期治療をすれば治る傾向にあります。
そして、近年増加傾向にあるのが、長時間のスマホ使用が原因と思われる耳鳴りです。長時間のスマホ使用によって首や肩の筋肉が凝ると、顔などの器官の神経を興奮させ、耳鳴りや頭痛、めまいを引き起こすことがあります。また、スマホやPCの画面を見続けると、視神経の疲れによって脳が異常な興奮状態に陥り、耳鳴りやめまい、頭痛、目の奥の痛みなどを引き起こすのではないかとも考えられています。
若い人でも病院での治療が必要な病気によって耳鳴りが生じることがあります。
若い人に耳鳴りを引き起こす病気としては、突発性難聴やメニエール病などが挙げられます。また、先天性の心疾患などがある場合は若い人でも脳梗塞を発症することがあり、それが耳鳴りの原因になるケースもあります。
その他にも、慢性中耳炎や外耳道炎など比較的身近な病気で耳鳴りが生じることも少なくありません。
これらの病気は、治療せずに放置すると聴力の低下やめまいなどを引き起こし、それらが後遺症としてのこってしまうこともあります。若い人であっても、耳鳴りが続くときや、非常に強い耳鳴りが突然生じたときは早めに耳鼻科を受診して診察を受けるようにしましょう。
近年はストレス社会であり、かつスマホが流通したことによって、以前よりも耳鳴りが起こりやすい状況になっていると言えます。とはいえ耳鳴りの原因を自力で特定するのは難しく、また病気が原因の可能性もあるので、耳鳴りにお悩みならまずは病院を受診するところから始めましょう。