PMSでピルの服用をするとき、保険は適用される?服用のメリットは?

2018/6/5

前田 裕斗 先生

記事監修医師

前田 裕斗 先生

PMSの症状がつらいとき、低用量ピルを服用すると症状を和らげることができます。この記事では、PMSでピルを服用する場合、健康保険の適用を受けることができるのかや、ピルによって得られるメリット、そして気になる副作用について解説します。

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PMSのピル、保険適用はある?

PMSの症状を改善する目的でピルを処方してもらう場合、健康保険の適用があります。保険適用を受けることができるピルには、以下のようなものがあります。

  • ルナベル®配合錠LD
  • ルナベル®配合錠ULD
  • ヤーズ®配合錠

PMSのピルに避妊効果はあるの?

PMSのときに服用するピルにも避妊効果はあります。このため、妊娠を希望する場合は、いったんピルの服用を中止する必要があります。また、もしピルの服用をやめてすぐに妊娠しても、お腹の赤ちゃんにはほぼ影響しません。

PMSでピルを服用すると何が改善する?

PMSの症状を和らげるためにピルを服用すると、避妊だけでなく、さまざまな不調や悩みを改善することができると言われています。

  • 月経痛が軽くなる
  • 経血量が少なくなる
  • 月経周期が安定する
  • 肌荒れやニキビが改善する
  • 子宮内膜症が治る
  • 子宮体癌や卵巣癌を発症しづらくなる
  • 胸の良性腫瘍ができにくくなる

ピルを飲むと太るんじゃないの・・・?

低用量ピルそのもので太ることはありません。日本で行われた研究によると、低用量ピルを服用した人と服用しなかった人との間で、体重の差はほとんどありませんでした。

ただ、ピルを服用している間は体がむくみやすくなったり、ピルの副作用で脂肪がつきやすくなったり、食欲が増してしまったりするために太ってしまうことはあります。

ピルの副作用が心配だけど・・・。

PMSの症状改善のために処方される低用量ピルは、中用量ピルなどに比べると副作用は少ないと言われています。ただ、服用し始めると体内のホルモンバランスが変わるため、以下のような副作用があらわれることがあります。

頭痛、吐き気、倦怠感

最も多いピルの副作用が、頭痛や吐き気、倦怠感です。ピルを服用し始めると体内のホルモンバランスが変わるため、こうした症状があらわれることがあります。服用し続けるうちに症状が落ち着く場合がほとんどですが、しばらく経っても改善しない場合は、かかりつけの医師に相談してください。

胸の張り

ピルに含まれる女性ホルモンが乳腺を刺激することで、胸の張りが気になることがあります。服用を続けるうちに症状が落ち着いてくる場合が多いですが、改善しないようでしたら、医師に相談してみてください。

眠くなる

ピルに含まれるプロゲステロンには睡眠作用があるため、眠気に襲われてしまうことがあります。また、プロゲステロンには体温を上昇させる働きもあるため、寝つきが悪くなったり、睡眠が浅くなって日中に眠くなることもあります。

不正出血

不正出血には2つの原因が考えられます。ひとつは、自然な月経周期からピルによる周期になる際に体がまだ慣れていないために起こる場合です。これは飲み始めに多い副作用です。もうひとつは、飲み忘れた場合に起こる不正出血です。こちらは血液中のホルモン濃度が一時的に下がったために、子宮内膜がはがれてしまって起こります。

血栓症

ごくまれに、血栓症という深刻な副作用があらわれることがあります。血栓症を発症すると、激しい頭痛や腹痛、胸の痛み、手足がひどくしびれる、視野が狭くなる、意識障害が起こるといった症状があらわれます。もし、このような症状がみられたらただちに服用を中止して病院に行ってください。

おわりに:PMSの改善でピルを服用するときは保険適用がある。気になる副作用があるときは医師に相談を

PMSの改善のために低用量ピルを服用する場合、健康保険の適用を受けることができます。ピルにはPMSの改善だけでなく、月経トラブルや肌荒れの改善といったメリットもありますが、飲み始めてからしばらくの間は頭痛や吐き気、眠気といった副作用がみられることもあります。服用を続けていくうちに副作用が改善する場合がほとんどですが、ずっと副作用に悩まされている場合や、手足のしびれといった重篤な副作用がみられるときは、すぐにかかりつけの医師に相談してください。

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